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トピックス


2007年12月16日

2008年度GC友の会学術講演会

歯科衛生士シンポジウム開催

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 さる12月16日(日)、東京フォーラム(東京都)にて、2008年度GC友の会学術講演会歯科衛生士シンポジウムが開催され、約900名という多数の歯科衛生士が参加した。「歯周治療に必要な歯科衛生士のチカラ‐今、私たちが知りたいこと‐」をテーマとした本会では、歯周治療における若手歯科衛生士の臨床力を高めることを目的とし、日々の疑問に答えるべく3名のベテラン歯科衛生士が登壇した。
 まず、溝部潤子氏(神戸常盤短期大学口腔保健学科・歯科衛生士)は、「歯周病ハイリスク患者のセルフケア」と題し、糖尿病などリスクの高い患者さんをサポートする方法として、歯科衛生ケアプロセスの活用について述べた。氏は、プラークコントロールによってリスクファクターをコントロールできるかという観点から、情報収集とアセスメントを行い、問題点を抽出したうえで、実際の歯周治療に反映させていく方法について述べた。
 続く鍵和田優佳里氏(小林歯科医院・歯科衛生士)は、「歯科衛生士が歯周治療にどのようにかかわるか」と題し、同院で行っている歯周治療の流れを紹介した。その中で氏は、歯周基本治療を成功させるためには、歯科衛生士の可能性と限界を知る必要があるとし、可能性を広げるためには、根面の形態を把握したSRPを行うべきとした。さらに、歯周基本治療後はできるだけ診療補助につくなどし、メインテナンスにつながる情報を得ることが大切であると述べた。
 そして、品田和美氏(黒田歯科医院・歯科衛生士)は、「長期メインテナンスにおける口腔内・全身の変化」と題し、30年に及ぶ経験に基づく豊富な臨床例を紹介した。氏は、歯肉の状態、エックス線写真、プラークの付着状況など、さまざまな情報の「読み方」について述べるとともに、年齢を重ねるにつれ変化していく患者さんの全身や生活に注意するよう訴えた。
 また、講演の合間には演者らによるディスカッションの時間も設けられた。そこではコーディネーターを務めた野村正子氏(日本歯科大学東京短期大学歯科衛生士学科講師・歯科衛生士)が、混同しやすい用語の解説を行うなど、参加者にとっては、最後まで臨床に直結した内容に富んだ1日となった。