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2016年7月23日

香川県歯科医療研鑚の会、西田 亙氏による医療面接セミナーを開催

チェアサイドでのロールプレイングで議論は大いに盛り上がる

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 さる7月23日(土)、24日(日)の両日、高松市大町コミュニティーセンター、高松市牟礼コミュニティーセンター、小西歯科医院(いずれも香川県)において、西田 亙氏(にしだわたる糖尿病内科院長)による歯科医療者向けの医療面接セミナー(スタディグループ「香川県歯科医療研鑚の会」主催)が開催された。同スタディグループは、箱崎達司氏(香川県開業)が代表を務め、香川県内で開業している、もしくは開業前の歯科医師や、医院のスタッフが集い、定期的に勉強会を開催している。今回は、今年3月に福岡のDHスタディグループHygeiaによって行われた西田氏の医療面接セミナーをきっかけに、香川での開催が実現した形であった。

 1日目の最初に、本セミナーを企画した小西弘晃氏(香川県開業)によるオープニングプレゼンテーションが行われた。小西氏は、自身の症例を供覧したうえで、患者の疾患を正しく治療・予防するには詳細な情報が必要であり、メインテナンスの本質は専門的知識を武器に患者とともに歩むことであると断言。また、そのために必要なのが医療面接であると述べ、本セミナーの企画主旨について説明した。

 その後、西田氏が登壇。まず、「医療面接とは、患者とスタッフ双方の心に貯金し、双方が倖せになるための学問」としたうえで、使う言葉を大切にする、相手の想いを先んじて汲み取る、来院者全員に敬意を払う、など医療面接を行ううえで医療者に求められる姿勢について力説した。次に、共感や反復、妥当化、開かれた質問から閉じた質問への転換など、医療面接の具体的なノウハウについて解説した。講義の後には、参加者を3人1組のグループに分けて、氏が事前に用意したモデルケースをもとに、歯科衛生士役、患者役、評価者の役割をそれぞれ交代しながら、医療面接のロールプレイングが行われた。

 特筆すべきは2日目であった。前日学んだことをふまえて、おそらく全国初の試みと思われるチェアサイドにおける医療面接のロールプレイングが行われた。ここでは、待合室での患者の招き入れに始まり、チェアサイドでの医療面接、治療後のお見送りまでの一連の流れをそれぞれ確認した。机をはさんだ状態から、チェアサイドに場所が変わった途端、前日までは気づかなかったさまざまな発見が続出。「患者と目線を合わせるには、どの位置・体勢がベストか」「エプロンはどのタイミングでつけるのが妥当か」「チェアを起こす際に配慮すべきことは何か」「治療後、患者にどのような言葉がけをしたら気持ちよく帰ってもらえるか」など、参加者同士のディスカッションは非常に白熱した。