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2016年8月6日

第34回地域歯科保健研究会(夏ゼミinちば2016)開催

「行政歯科衛生士"力"をアップせよ!―歯科衛生士のキャリアラダーを考える―」をテーマに

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 さる8月6日(土)、ホテルポートプラザちば(千葉県)において、第34回地域歯科保健研究会(通称:夏ゼミ、高澤みどり実行委員長、市原市役所保健福祉部主査)が約160名の参加のもと開催された。本会は地域歯科保健にかかわる多職種が参加し、講演やグループワークなどを中心に年1回行われる研究会で、今年は「行政歯科衛生士"力"をアップせよ! ―歯科衛生士のキャリアラダーを考える―」をテーマに行われた。

 開会後、安藤雄一氏(国立保健医療科学院統括研究官)による「全国の歯科保健担当者の業務実態」の概説がなされ、池田康幸氏(埼玉県三芳町健康増進課長寿担当主幹、埼玉県三芳町保健センター副所長)による基調講演1「いまこそ考えよう! 地方自治体における少数専門職の役割を」が行われた。池田氏は行政栄養士業務に関する調査結果をもとに、専門職だからこそ発見できる課題と、その解決のための施策を専門職の立場から立案していく重要性を述べた。

 午後には島袋裕子氏(東京都品川区総務部人権啓発課課長)と、西山珠樹氏(千葉県鎌ケ谷市市民生活部市民活動推進課課長)によるミニレクチャーが行われ、これまで地域歯科保健に従事してきた経験をふまえた所見などが述べられた。その後、奥田博子氏(国立保健医療科学院上席主任研究官)による基調講演2「地域保健に従事する人材の計画的育成」が行われた。奥田氏は、保健師の新任期・中堅期・管理期のキャリアラダーや研修実態調査結果をもとに、自治体による研修実施率の差や職務・研修履歴の管理がされていないこと、効果的に活用されていないことなどの課題をあげたうえで、一人ひとりの職員が専門職として住民の個別対応をしながら地域の課題を汲み取り、自律的に学んでいくことが重要だと結んだ。

 これらを受け、グループワークでは「夏ゼミ版3箇条:新任期・中堅期・ベテラン期に求められる歯科衛生士像とは?」をテーマに、活発な意見交換がされた。最後の発表では各グループが考案したさまざまな3箇条があげられ、行政歯科衛生士のあり方を見つめ直す場ともなった。

 最後には、楠田美佳氏(熊本県県北広域本部玉名地域振興局保健福祉環境部保健予防課参事)が、今年4月に発生した熊本地震での実体験をもとに、いつ起こるかわからない災害に備え、「歯科衛生士が緊急時の対応にどう関わるのか、今一度考えてほしい」とコメントした。