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2008年11月13日

Academy Of Minimally Invasive Implantology(AMII)第1回Research Conference

MIインプラント治療の現状と展望が語られる

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 さる11月13日(木)、ランドマークホール(神奈川県)にて、Academy of Minimally Invasive Implantology(AMII)第1回Research Conferenceが、約300名を集め盛大に開催された。
 近年、インプラント治療の発展により、侵襲の少ないインプラント手術が可能となってきた。それは同時に、患者さんのニーズに応じてさまざまな治療法を選択できる時代が到来したとも言える。本アカデミーはこのような時代背景の中、今あるミニマムなインプラント治療(即時負荷・グラフトレス術式など)を適切に臨床応用するために必要な考え方、適応症、術式選択に関して、「ミニマムな治療の定義」を模索しつつ情報交換しあっていこうという意図のもと、春日井昇平氏(医歯大教授)、細川隆司氏(九歯大教授)が発起人となり発足したものである。
 本講演ではまず、春日井氏がインプラント治療の歴史を振り返りながら、治療期間の短縮および低侵襲の治療がいかに可能となってきたかについて述べた。続いては舘山佳季氏(北海道開業)がAll-on-4を始めとしたグラフトレス術式に言及し、低侵襲治療は良好な長期予後を達成してはじめて意味があることを強調した。また、堀内克啓氏(奈良県勤務)は、グラフトレスで行うインプラント治療の限界を考察し、安易にミニマムな治療に傾倒するのではなく、グラフトが必要である症例に対しては、適切な外科術式をもって対応すべきであることを強調した。
 続いて、以下の演者によりミニマムなインプラント治療の術式が解説された。西村 眞氏(大阪府開業)は、傾斜埋入の特長を述べる一方、グラフトレス術式における十分な診査・診断の必要性を説いた。下尾嘉昭氏(十条岸クリニック高度インプラントセンター長)は、各種ザイゴマインプラントの症例を供覧し、その特長と注意点を解説した。中村社綱氏(熊本県開業)は、即時負荷の有意性、診査・診断のポイント、コンピュータガイドシステムの特長などを解説。さらには、プロビジョナルレストレーションが破折した失敗症例を供覧しながら、All-on-4を施行する際の注意点を詳細に述べた。
 後半では、飯島俊一氏(千葉県開業)が現在商品化されている各種インプラントのデザイン、表面性状、術式を解説した。また、五十嵐 一氏(京都府開業)は、文献や自院のデータを参照しつつ、力学的な観点から即時負荷における適切なインプラントポジション、補綴物の設計について考察した。また、中平 宏氏(東京都開業)は、インプラント埋入からプロビジョナルレストレーション装着までを1日で行う治療コンセプトを紹介し、歯科技工士との連携のポイントについて述べた。最後は、白鳥清人氏(静岡県開業)が、ショートインプラントを応用した症例を供覧し、その特長を解説した。
 すべての演者が登壇した講演後のディスカッションでは、抜歯基準、即時負荷の禁忌症、MIインプラント治療の考え方について活発な意見交換がなされるなど、会場は終始熱気に包まれた。