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2016年11月10日

2016年度 ジャシド総会、特別講演会を開催

講師にBach Le氏を招聘し、盛会となる

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 さる11月10日(木)、大阪国際会議場(大阪府)において、2016年度 ジャシド総会特別講演会(堀内克啓施設長)が、「インプラント治療のための予知性の高い顎堤造成術とは~その通説 vs 現実~」のテーマのもと、講師にBach Le氏(南カリフォルニア大)を招聘し、盛大に開催された。

 まずはLe氏が登壇し、特に上顎前歯部審美部位における顎堤造成の基本的な考え方について解説。これまできわめて多くの造成手術を手掛けてきたLe氏だが、「どのような術式、マテリアルが最良なのか、また成長因子に効果はあるのかについては、未知数な部分がある」「骨造成は時として合併症などのリスクもともなうため、応用するのであれば、審美的な欲求を満たさなくてはならない」と述べ、慎重に治療に取り組むべきとのメッセージを聴講者に伝えた。

 その後はおもに単独歯欠損、少数歯欠損症例を供覧しながら、顎堤の吸収度合いに応じて、埋入時期・GBR施行時期をどう判断するかの基準、また切開線をどう設定するかについて解説。さらに、「良好な予後を得るためには、厚い軟組織を造成するだけでなく、骨(硬組織)の存在が裏打ちとして不可欠である」との見解を強調しながら、各種症例を供覧した。

 次に登壇した堀内克啓施設長(奈良県開業)は、Le氏の講演内容を受け、顎堤造成症例を供覧しながら教育的な講演を展開。単独歯欠損におけるGBR、上顎前歯部複数歯欠損における顎堤造成およびインプラント治療、骨延長術、テンティングスクリューと吸収性メンブレンを用いた広範囲のGBR、ブロック骨移植など、さまざまな顎堤造成法とそのポイントを紹介した。

 続いて再び登壇したLe氏は、より広範囲な顎堤欠損を有する症例、難易度の高い症例を数多く供覧しつつ、大規模な硬・軟組織造成を行うポイントについて詳説した。

 顎堤造成に関する診査・診断、治療計画から細かなテクニックまで、日米を代表するインプラント外科医が1つ1つの症例をもとに丁寧に解説を行うというきわめて貴重な講演会となり、会場は終始熱気に包まれた。