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2016年11月23日

ITI National Study Club Meeting 2016開催

全国より選抜された10名の演者が充実の講演を展開

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 さる11月23日(水)、東京コンファレンスセンター品川(東京都)において、ITI National Study Club Meeting 2016(塩田 真実行委員長)が参加者300名以上の参加者を集め、盛大に開催された。本ミーティングは、「デジタルインプラントワークフロー」のテーマのもと、全国のITI Study Clubより選抜された10名の演者が登壇した。

 セッション1では、坂本 渉氏(北海道勤務)が、光学印象を中心としたインプラント治療におけるデジタルワークフローの展望と、ガイデッドサージェリーの利点・問題点に言及した。深澤翔太氏(岩手医科大)は、光学印象とCAD/CAMを応用して2歯並列欠損をインプラントで修復した症例を供覧し、その有効性を述べた。石浦雄一氏(昭和大)は、将来的なインプラント治療のフルデジタル化を見越した口腔内スキャナーの現状を解説。今後の展望として、多数歯やフルマウスにも応用できるよう開発が進むことに期待を寄せた。百瀬康仁氏(東京都開業)は、実際の症例を供覧しながら、goniXとCARES®3Dガイドのそれぞれの特長を比較した。小川秀仁氏(埼玉県開業)は、自身が日本大学松戸歯学部付属病院放射線科で調査した膨大なデータをもとに、CTの検査・鑑別診断による病変の発見の重要性を説いた。

 セッション2では、谷津慶亮氏(歯科技工士・zahntechnik WeLT)が、コンピュータソフトを用いたカスタムアバットメント製作について解説するとともに、フルデジタルによるインプラント治療のワークフローの展望に関する私見を述べた。加藤 宙氏(愛知県開業)は、上顎無歯顎患者にサージカルテンプレートを用いた症例を供覧しつつ、その精度に言及した。また、「ガイデッドサージェリーの精度は、術者の経験値によって誤差が出る」との研究論文を紹介した。中野 環氏(阪大大学院)は、デジタル技術について「治療の正確性が増すだけでなく、結果の評価が可能なことが利点である」と述べ、インプラント治療後にCTによって頬側の骨と軟組織の評価した、自身の調査・研究を紹介した。豊嶋健史氏(香川県勤務)は、ガイデッドサージェリーにおける埋入時のサージカルテンプレートのたわみの抑制について詳説し、会場の耳目を引いた。柴原清隆氏(福岡県開業)は、インプラント手術を含む歯科治療に手術用顕微鏡を用いることの優位性について解説。さらに、ガイデッドサージェリーの将来展望にも触れた。

 各講演後には、細かな内容も含め多くの質疑応答がなされるなど、終始活況を呈した。