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2017年2月11日掲載

口腔がんの早期発見の体制構築について考える機会に

株式会社スマイル・ケア、「口腔ガン撲滅に向けて!~あなたの診る知識が命を救う~」を開催

株式会社スマイル・ケア、「口腔ガン撲滅に向けて!~あなたの診る知識が命を救う~」を開催
 さる2月11日(土)、秋葉原UDX(東京都)において、株式会社スマイル・ケア(土屋和子代表)が「口腔ガン撲滅に向けて!~あなたの診る知識が命を救う~」と題した講演会を開催し、歯科医療者ら50名が参加した。

 国立がんセンターなどの統計データによれば、口腔がんの罹患数は日本よりもアメリカのほうが倍以上多いにもかかわらず、死亡率で比較すると、日本が46.1%であるのに対し、アメリカは19.1%と半分以下の数値となっている。その大きな要因として、日本では口腔がんの検診を行う機会が極めて少なく、手遅れの状態になるまで発見されないことが挙げられる。本会は、こうした日本の現状を受けて、歯科医院における口腔がんの早期発見の体制構築について考えることを目的に、2名の演者を招聘のうえ企画された。

 まず、川口浩司氏(鶴見大歯学部口腔顎顔面外科学講座准教授・医局長)は、重度のステージまで進行した口腔がん患者の手術写真を多数供覧しながら、発見が遅れると、切除療法や自家移植による負担が大きいうえに、食事や会話、呼吸、表情といったQOLに多大な影響を与え、患者に苦痛を与えるとし、その深刻さを語った。そのうえで、歯科医院でも発見できる口腔がんの疑いのある粘膜症状について解説し、少しでも異変を感じた場合にはすぐに専門機関へつなげてほしいと強調した。

 次に、中谷泰志氏(一般社団法人口腔がん撲滅委員会専務理事)は、アメリカでの口腔がんの死亡率が日本の半分以下である原因として、歯科医療者だけでなく、国民全体に口腔がんに関する認識が浸透していること、歯科医療機関での口腔がん検診の実施が徹底されていることを挙げた。氏が所属する口腔がん撲滅委員会では、日本でもこのような早期発見の体制を整え、口腔がんに関して啓発していくために積極的に活動しているということで、その取り組みについて詳細に紹介された。

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