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2018年2月4日

厚生労働省委託事業 AMR対策歯科臨床セミナー開催

抗菌薬の適正使用と薬剤耐性菌の感染対策を啓発

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 さる2月4日(日)、歯科医師会館において、AMR対策歯科臨床セミナー(国立国際医療研究センター病院・AMR臨床カンファレンスセンター、日本歯科医師会共催)が開催された。

 本セミナーは、抗菌薬の不適切な使用を背景に薬剤耐性菌の増加と新たな抗菌薬開発の減少傾向にある状況を受け、2016年4月に策定された「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」周知のために開かれたもの。

 牧野利彦氏(日本歯科医師会副会長)の挨拶の後、はじめに大曲貴夫氏(国立国際医療研究センター病院 AMR臨床カンファレンスセンター)が登壇。プランに示された取り組むべき6項目である「普及啓発・教育」「動向調査・監視」「感染予防・管理」「抗微生物剤の適正使用」「研究開発・創薬」「国際協力」について概要を説明した。データを用いながら抗菌薬の予防効果の低さにも触れ、多少なりとも副作用を受ける患者のことを考えた適正な使用が重要だと結んだ。

 それを受け、金子明寛氏(東海大医学部外科学系歯科口腔外科教授)が歯科領域における抗菌薬の使用について治療と感染予防の両面から解説。ともに、狭域スペクトラムの抗菌薬の使用が望まれるとの考えを述べた。

 最後に、吉岡秀郎氏(大阪労災病院歯科口腔外科部長)より院内感染対策について院内アウトブレイクの事例を元に、AMR対策においては環境を守ることが大事なのではないかと強調した。

 質疑応答では、抗菌薬は患者にとって、ある種の安心材料となっている現状があるため、医療者側だけでなく、患者向けの啓発も重要であり、今後対策を考慮してほしいという要望が多く聞かれた。