2018年5月20日掲載
臨床の根幹を成す診断学について考える機会に
イエテボリ診断学入門1日集中講座開催

午前は、宮下氏が診断学の概論について詳説した。氏は冒頭より、「診断学とは病名をつけることではなく、次に何をすれば良いのか考えることである」とし、臨床において診断学がいかに不可欠なものであるかを強調。その後、患者が訴えるあらゆる症状を診るうえでもっとも重要なことは、「検査やエックス線写真撮影を行うことではなく、患者の話を聞くことである」と述べ、その実際を自身が担当する多数の症例をもとに示した。
午後は実践により重きが置かれ、宮下氏とともに臨床に取り組んでいる東京国際歯科六本木の歯科衛生士による講演も行われた。中尾麻里絵氏は初診時に行う予備問診、石野田美帆氏はアセスメント面接、宮下順子氏はサポーティブセラピーについて、各自が日頃から実践している方法を紹介した。テクニックはもちろん、患者とのかかわり方についてありのままに語られる3名の講演に参加者は終始引き込まれていた。
診断学というと歯科医師の範疇と思われがちだが、今回のセミナーでは患者とかかわることが多い歯科衛生士の参加が目立っており、このテーマに対する関心度の高さが印象的であった。