2018年10月30日掲載

みなとみらいにて「みんなと明るいみらいの矯正歯科医療」をテーマに

第77回日本矯正歯科学会学術大会開催

第77回日本矯正歯科学会学術大会開催
 さる10月30日(火)から11月1日(木)の3日間、パシフィコ横浜(神奈川県)において第77回日本矯正歯科学会学術大会(新井一仁大会長、森山啓司理事長)が開催された。テーマの「みんなと明るいみらいの矯正歯科医療」は開催地・みなとみらいにちなんでいる。また、本大会は第7回日韓ジョイントミーティングが併催された。

 1日目は夕刻から生涯研修セミナー、指導者講習会、サテライトセミナー等が開催された。なかでもサテライトセミナーでは、今年保険収載された「口腔機能発達不全症」について、子どもの「食」に対する保護者の悩みと歯科医師の考えのギャップ、小児の摂食機能をどのように評価し実際に支援していくかをテーマに、木本茂成氏(神歯大教授)、田村文誉(日歯大口腔リハビリテーション多摩クリニック科長)、弘中祥司氏(昭和大教授)が講演した。

 2日目以降は、複数の特別講演と臨床セミナー、口演、スタッフ&ドクターセミナー、そして米国の歯科教育についての基調講演、バイオ再生医療に関する教育講演、「知っておきたい先天異常の特徴」としてマルファン症候群についての講演、学校歯科保健セッション、臨床考察セッション、Special International Session、JOCフォーラム、ラウンドテーブルディスカッション、企業プレゼンテーション、学術展示、症例展示などが行われた。2020年に同地で開催される第9回IOC・国際矯正歯科学会がいよいよ迫ってきているなか、国際色豊かなプログラムとなった。

 そのうち臨床セミナー1では、「埋伏歯の臨床の展開」として嘉ノ海龍三氏(兵庫県開業)、大坪邦彦氏(東京都開業)、宮澤 健氏(愛院大教授)が登壇した。朝から参加者で会場が埋められ、前学術大会と同様に埋伏歯治療への高い関心をうかがわせた。

 また臨床セミナー2では「エッジワイズ法の未来」として、清水典佳氏(日大特任教授)、斎藤功氏(新潟大大学院教授)、居波 徹氏(京都府開業)が登壇。多様なテクニックが出現し変革期といわれる今だからこそ、スタンダード・エッジワイズに立ち返って学び、矯正歯科治療の土台をより強固なものにすることが、今後の矯正歯科治療の発展と安全性をより確実にするという見解を示した。

 矯正歯科臨床のエビデンス、そして早期治療のレビューについての講演となった臨床考察セッションでも会場から人があふれ、活気を見せた本大会であった。閉会式では新井大会長から速報として参加者が5,188名であった旨が報告され、大盛況のなか閉幕となった。

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