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2019年2月2日

第17回 モリタ歯科技工フォーラム Dental Technicians' Forum 2019 Tokyo開催

歯科技工士を中心に156名が参集

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 さる2月2日(土)、御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンター(東京都)において、第17回 モリタ歯科技工フォーラム Dental Technicians’ Forum 2019 Tokyo(株式会社モリタ主催、森田晴夫代表取締役社長)が開催され、歯科技工士を中心に156名が参集した。


 まずは2019年歯科技工登竜門NEXT STAGE入賞者プレゼンテーションとして、優秀賞の子安直哉氏(歯科技工士・小野寺歯科)による「The key point of value control is Staining!」の講演が行われた。子安氏はクラレノリタケデンタルのステイン材について解説。特にインターナルステインにおけるブライトおよび、エクスターナルステインにおけるValueに対するそれぞれの使用方法について、独自の実験結果からの考察を交えて詳説した。

 次に登壇したのは、「~Digital Dentistry Now and Then ~アナログ×デジタルで繋がる歯科医師・歯科技工士の働き方改革」と題して講演を行った北道敏行氏(歯科医師・きたみち歯科)と瓜生田達也氏(歯科技工士・SHAFT)。まずは北道氏が、8台所有しているというCERECシステム(デンツプライシロナ、モリタ)を用いた、口腔内スキャナーを使用するうえでの16項目にも及ぶ注意点を解説した。この中で北道氏は、CERECシステムは歯を作るための機械ではなく、患者教育の一環であり、医院として予防処置をメインに行っていくためのツールのひとつであると強調した。北道氏のあとを受けて登壇した瓜生田氏は、2013年に開業してからのCAD/CAMとのかかわりを症例とともに述べ、CAD/CAMはメタルにおける鋳造器と同じであり、CAD/CAMに使われるのではなく、あくまで補助的に使うべきであると強調した。

 午後に入り、最初に登壇したのは「世界一流のモノづくり論」と題して講演を行った水野和敏氏(元NISSAN R35GT-Rプロジェクト総責任者、HAITEC Japan代表取締役COO)。水野氏は、日産自動車時代のGT-Rを始めとした数々の自動車の開発経験やニッサン・モータースポーツ・インターナショナル時代に華々しいレース結果を獲得してきた経験をベースにした独自のモノづくり論を展開し、デジタル化に向かう歯科技工に新たな可能性を示した。

 続いて登壇したのは「これからのCAD/CAM技工とは」と題して講演を行った中島清史氏(歯科技工士・KNデンタルラボラトリー)。中島氏は、オープンCAMソフトやデンチャー用CADソフトなどを用いた数々のデジタル技工の取り組みを症例とともに紹介した。そのうえで、CAD/CAM技工はこれまでの経験・知識・技術が融合されて初めて完成するものであり、だからこそアナログの重要性も決して忘れてはいけないと講演を締めくくった。

 最後に登壇したのは「審美補綴物の材料の選択ガイド」の演題で講演を行ったMoon-shik Choi氏(歯科技工士・WITH DENTAL CLINIC)。Choi氏は、クラレノリタケデンタルの築盛用陶材を用いた自身の築盛コンセプトを、築盛スペースが確保できる場合と非常に薄い場合に分けて解説した。また、クラレノリタケデンタルのジルコニアディスクを用いたモノリシックジルコニアの優位性についても解説した。

 今回の歯科技工フォーラムはデジタル関係のテーマが多かったが、各講演で強調されていたのは、デジタルとアナログを融合させることの重要性であった。現在はデジタル化へ移行する過渡期であると思われるが、その中でどのようなバランスでデジタルとアナログを融合させていくのかが、ひとつのテーマとなっていくのかもしれない。