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2019年3月10日

(一社)日本ヘルスケア歯科学会によるヘルスケア・スプリングセミナー開催

北迫氏、関野氏の講演に耳目が集まる

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 さる3月10日(日)、品川シーズンテラスカンファレンス(東京都)において、(一社)日本ヘルスケア歯科学会(杉山精一代表)によるヘルスケア・スプリングセミナーが開催された。本セミナーは、ヘルスケア会員および開院診療所勤務者を対象に、以前は「オピニオンメンバー会議併催セミナー」として催行されていたものである。

 杉山精一代表の挨拶の後、「酸蝕症とその臨床対応」と題し、北迫勇一氏(外務省大臣官房歯科診療所)が登壇。全世代をとおして4人に1人の割合で認められる酸蝕症は、全世代に共通する最大の歯の疾患リスクではないかと投げかけた。臨床では、咬耗・摩耗(tooth wear)をともなうことが多く(erosive tooth wear)、それにより歯の摩耗状態が10年先に進んでしまうという。対応には自覚症状のないエナメル質段階での介入が重要であり、エナメル質段階で気づくためには口腔内写真などで経過を残しておく必要があると強調した。

 続いて、「新しい歯周病の疾患分類―AAPおよびEEPの臨床歯周病学の研究を踏まえて」と題し、関野 愉氏(日歯大歯周病学講座)が、昨年AAP(米国歯周病学会)とEEP(欧州歯周病学会)が改訂を発表した歯周疾患の分類を紹介。最初にペリオの病因論の流れを示したのち、新分類について、「健康な歯周組織」が定義されたこと、慢性歯周炎と侵襲性歯周炎が同一の分類となったことをはじめとし、トピックを挙げて解説。日本歯周病学会では本分類への対応は未定であるものの、すでに台湾、インドなどでの発表では取り入れられていることから、知識をもつ必要があるだろうと述べた。

 どちらの会場からも質問が途切れることはなく、盛況のなか閉幕となった。