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2019年6月10日

第57回日本小児歯科学会大会開催

「未来を創るこどもたちへ~道は拓き、そして続く~」をテーマに

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 さる6月10日(月)、11日(火)の両日、札幌コンベンションセンター(北海道)において、第57回日本小児歯科学会大会(八若保孝大会長、木本茂成理事長)が「未来を創るこどもたちへ~道は拓き、そして続く~」をテーマに開催され、1,500名の歯科医師・歯科衛生士らが参集した。

 初日は、教育講演、歯科衛生士委員会企画、認定歯科衛生士更新必修セミナー、チーム医療支援セミナー、将来計画検討委員会・女性小児歯科医委員会合同企画、研究ステップアップセミナー、社会保険委員会企画など充実したプログラムが組まれた。

 2日目にまず行われた歯科法律セミナーでは、「未成年者に対する歯科治療についての医療契約・医療同意の注意点」をテーマに、小畑 真氏(弁護士法人小畑法律事務所代表弁護士・歯科医師)が登壇した。氏は、医療契約でかかわるのは行為能力、医療同意でかかわるのは同意能力であり、この両者を混同しないように強調した。そのうえで、未成年者に対する歯科治療の場合、医療契約の主体は本人ではなく両親であるが、医療同意については本人に同意能力があれば本人の同意が必要となるため、本人の意思を尊重しながらも両親にも必ず確認を取ることが重要と述べた。

 続いて行われた特別講演「To tell the tooth ~小児歯科救急の落とし穴~」では、NHKの人気番組「総合診療医ドクターG」でもおなじみの、林 寛之氏(福井大医学部附属病院救急科・総合診療部教授)が招聘された。氏は、小児歯科診療で特に注意すべき症状として、アナフィラキシー、局所麻酔薬中毒、心肺停止、敗血症などを挙げて、それぞれの注意点や対応についてわかりやすく整理した。時折ネタやジョークなども挟みながら、終始軽快に進行していく氏の講演に、多くの参加者が魅了されていた。

 午後には、JSPP(全国小児歯科開業医会)企画講演「0歳から一生涯にわたって寄り添う小児歯科」が行われた。演者の今泉三枝氏(愛知県開業)と柿崎陽介氏(宮崎県開業)により、乳幼児期の発達支援に向けてそれぞれの医院や地域で実施されているユニークな取り組みが数多く紹介され、注目を集めた。

 このほか、両日にわたり数多くのランチョンセミナーや自由集会が企画されたほか、ポスター発表、企業展示も行われ、会場は終日熱気にあふれていた。