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2019年7月13日

第60回日本歯科医療管理学会総会・学術大会開催

「新しい時代の歯科医療管理―“いま改めて”安全安心信頼の地域と繋がる歯科医療―」をテーマに

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 さる7月13日(土)から15日(月)の3日間、日本大学歯学部本館創設百周年記念講堂(東京都)において、第60回日本歯科医療管理学会総会・学術大会(尾崎哲則大会長・理事長)が「新しい時代の歯科医療管理 ―“いま改めて”安全安心信頼の地域と繋がる歯科医療―」をテーマに開催され、200名以上が参集し盛会となった。

 本大会では、シンポジウム、特別講演、60周年記念式典、口頭発表、ポスター発表などさまざまなプログラムが組まれた。まず、開会の挨拶に立った尾崎大会長(日大教授)より、本学会の前理事長で本年2月に急逝した白土清司氏の功績が称えられるとともに、その遺志を引き継いでいくことの重要性、本学会の今後の展開について述べられた。つづいて行われた口頭発表では多くの演題があり、なかでも大島克郎氏(日歯大東京短期大学教授)による「就業歯科技工士数の将来推計」では、“歯科技工士は2026年には約6千人の減少が見込まれる”ことをデータとともに提示し注目を集めた。

 つづく、シンポジウム1「歯科医院運営に役立つこれからの歯科診療報酬制度のあり方を考える―令和2年診療報酬改定に向けて考えておくこと―」では、小塩 裕氏(日本歯科医療管理学会医療保険検討委員会・副委員長)の座長のもと、高橋義一氏(同・委員長)、小野清一郎氏(同・委員)、上條英之氏(東歯大教授)がそれぞれ講演。2016年度診療報酬改定で新設された「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」の施設基準の変遷や課題、本年10月に予定されている消費税増税、来年の診療報酬改定で予想される歯科医療への影響などについて解説がなされた。

 特別講演1では、長尾由実子氏(順天堂大客員教授)が「歯科診療に役立つ! ウイルス性肝炎の必須知識―日本歯科医療管理学会会員の実態調査で見えてきた現状と課題―」の演題にて登壇。患者や歯科医師、スタッフの安全を守るためにも知っておきたいB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)の特徴や対応策などについて、文献とともに最新情報を提示。肝炎ウイルスへの対応について感染対策と病態の観点から詳細に解説するとともに、警鐘を鳴らした。

 シンポジウム2「地域医療の今後のあり方―さまざまな事例から考える―」では、平田創一郎氏(東歯大教授)、武井典子氏(日本歯科衛生士会会長)の座長のもと、冨田明子氏(臼杵市医師会立コスモス病院、歯科衛生士)、澄川裕之氏(島根県歯科医師会)、丸岡三紗氏(まんのう町国民健康保険造田歯科診療所、歯科衛生士)が登壇。全国平均に比べて高齢化率が高く、また歯科へのアクセスも悪いというそれぞれの地域の現状および課題について詳しく紹介し、地域包括ケアのあり方について言及した。

 2日目の最後には、60周年記念式典が開催された。住友雅人氏(日本歯科医学会会長)、田口円裕氏(厚生労働省医政局歯科保健課長)らによる来賓挨拶などが行われ、本学会の過去・現在・未来について語られた。なお、次回大会は、きたる2020年6月12日(金)から14日(日)の3日間、奈良春日野フォーラム甍(奈良県)において、玉川裕夫大会長のもと開催予定。