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2019年7月28日

第1回削らない歯学会 設立記念シンポジウム開催

「可能な限り歯牙を切削しない治療法」の確立を目指して

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 さる7月28日(日)、TKPガーデンシティ品川(東京都)において、2019年度第1回削らない歯学会 設立記念シンポジウム(豊山洋輔代表理事)が、「臨床医における『最小の侵襲と最大の効果』を超えた可能な限り歯牙を切削しない治療法の実現に向けて ―デンタルビジネスの挑戦―」をテーマに開催され、歯科医師、歯科衛生士など約70名が会場に参集した。

 削らない歯学会(Academy of MI Oral Treatment and Therapy、以下、AMOTT)は、近年の歯科材料の着実な進歩により「MI」を超えた「NI(無切削)」にも対応できる可能性のある材料が出現してきているとし、それをふまえて「可能な限り歯牙を切削しない治療法」の確立を目指して設立された。なお、AMOTTの提唱するNIは従来の方法を否定するものではなく、治療を考えるうえでの1つの選択肢である。

 以下にシンポジウムの演題と演者を示す。

・「臨床医におけるNI(無侵襲)の実現に向けて」(豊山洋輔氏、神奈川県開業、AMOTT代表理事)
・「歯科用噴射式切削器の実践」(青島徹児氏、埼玉県開業、AMOTT評議員)
・「レーザーの量子力学と不都合な真実」(中島京樹氏、茨城県開業、AMOTT理事)
・「歯を削らないでハッピー!」(天野聖志氏、東京都開業、AMOTT理事)

 代表理事でもある豊山氏は、これまでの自身の経験から、歯の切削を伴わない治療としてグラスアイオノマーセメントを用いた「う蝕封入療法」の必要性を述べ、「う蝕治療に限らず、ペリオその他の処置において極力侵襲を加えない治療法を研究し、一般の医療消費者に対し発信していきたい」とした。また、現在MIはメディアなどをとおして一般にも理解されてきており、これからの歯科医療を考えるうえでは、「削らない歯学会」でこれから展開していく支援プログラムなどをとおして、正しいメソッドを早い時期に習得してほしいとした。最後に豊山氏は「過大な侵襲は過去の話になると思っている。AMOTTとともに歩んでいく歯科医師、歯科衛生士の力で次の時代を切り開いていきたい」とまとめた。

 NIの考え方の他、MI臨床を行ううえでのポイントやレーザー治療の現状、MIは患者へのメリットがあるだけでなくトラブルの回避や収益面から歯科医師サイドにもメリットが大きいといった講演もなされ、MI、NI治療に取り組もうとする参加者の熱意が印象的であった。