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2020年8月23日

災害歯科口腔医療シンポジウム、オンデマンドで開催

「災害多発時代」に対応できる医療人養成を目指して

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 さる8月23日(日)から30日(日)まで、災害歯科口腔医療シンポジウム(九州大学大学院歯学研究院主催)が新型コロナウイルス感染対策の観点からオンデマンドで配信され、150名の関係者が参加した。本シンポジウムは、文部科学省GP「課題解決型高度医療人養成プログラム」(多職種連携の災害医療を担う高度医療人養成事業、熊本大学病院災害医療教育研究センター主幹)と連携して開催されたもの。

 主催者を代表して中村誠司氏(九大大学院歯学研究院研究院長)、事業責任者を代表して谷原秀信氏(熊本大病院病院長)より挨拶が行われた後、担当者より事業報告がなされた。本シンポジウムでは、講演4題とシンポジウム2題が行われた。以下に演題・演者を示す。

講演1「災害歯科保健医療活動への日本歯科医師会の対応」(小玉 剛氏、日本歯科医師会常務理事)
講演2「災害時医療のための法歯学」(花岡洋一氏、奥羽大歯学部生体構造学講座法歯学教授)
講演3「九州地区における災害時の歯科医療の役割」(太田秀人氏、福岡県歯科医師会・筑紫歯科医師会理事)
講演4「災害支援に関わる人が最初に知っておきたい心のケアの基本」(大橋綾子氏、九大病院精神科神経科助教)
シンポジウム1「多職種連携災害時口腔健康支援~九州地区における活動から~」(久保田潤平氏、九歯大老年障害者歯科学分野講師/久保山裕子氏、日本歯科衛生士会常務理事・福岡県歯科衛生士会専務理事)
シンポジウム2「人生の最後に係わる歯科医師としての使命」(熊谷章子氏、岩手医科大法科学講座法歯学・災害口腔医学分野准教授/岡 広子氏、広大大学院医系科学研究科附属死因究明教育研究センター法歯学部門特任講師)

 全体をとおして、災害医療における多職種・多団体との連携の取り組みについて、身元確認作業や避難所などにおける「食」を基盤とした歯科保健医療活動、心のケアなど、それぞれの立場から提言がなされた。またいずれの講演でも、有事の際にスムーズに対応するためには地域ごとに平時から災害時を想定したシミュレーションや必要な支援を準備しておくことの必要性が強調されていた。