Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2021年1月24日

歯科衛生士スタディグループ奥山会、ハイブリッド方式にて開催

歯科衛生士の可能性について熱く語り合う一日に

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる1月24日(日)、第3回歯科衛生士スタディグループ奥山会(奥山洋実主宰)が愛知学院大学楠元キャンパス(愛知県)とオンライン配信のハイブリッド方式にて終日開催された。本会はこれまで東京都内で開催されてきたが、今回は初めて県外での開催となった。緊急事態宣言により、多くの参加者がオンラインでの参加となったものの、それでも当日は総勢約160名が参集した。

 「口腔から健康に~歯科衛生士って最高!!」をテーマとした本会。午前の部では、招聘演者による講演が2題行われた。

 まず、稲垣幸司氏(愛院大)は「歯科衛生士からみえる口腔からみたからだへの影響 成功のヒントはお口にあり~!」と題し、さまざまな全身疾患に関係する喫煙の最新情報について詳説した。ここ数年の調査の結果、喫煙者数や喫煙率は下がってきているものの、加熱式たばこのユーザーが増えていること、直近の調査では女性で特にその傾向がみられること、紙巻たばこを含めて複数のたばこ製品を使用する人が増えていることなどを示した。これをふまえて、問診の際には種類まで細かく確認する必要があり、地域における禁煙支援において歯科は非常に重要な役割を果たしていると強調した。

 次に、押村憲昭氏(愛知県開業)が「歯科衛生士の可能性は無限大~これからの歯科衛生士は全身~」という題で講演。少子高齢化によって国が重症化予防や健康寿命延伸を目指している今、地域の歯科医院は住民にとってかかりつけ医と同じような役割が果たせるとし、特に患者にとってもっとも身近な存在である歯科衛生士の役割は非常に大きいと断言。そのうえで、血圧測定や血糖値測定、睡眠時無呼吸症の確認、体組成測定など、来院患者の健康を守るために自院で日頃から実践している全身管理や、医科との連携の実際を披露し、多くの関心を集めた。

 午後の部では、まず角 祥太郎氏(株式会社clapping hands代表取締役・歯科医師)が「患者さんの心に火を付けるのは歯科衛生士」「今日聞く内容をインプットするだけでなく、自分事に落とし込んで一歩踏み出すことが大事」など、参加者に力強いエールを送った。

 その後、奥山会に所属する歯科衛生士4名によって、以下の演題で症例発表が行われた。

「日本歯周病学会認定歯科衛生士を目指しながら中等度歯周炎患者と向き合って」(柴 安佳里氏、わたしの歯医者さん)
「資料採りの大切さを学んだ症例」(川口奈央子氏、ブレーメン通りのたぶち歯科)
「紆余曲折 歯科衛生士って楽しい!」(角田知里氏、医療法人あすなろ歯科)
「患者さんと歩む 歯科衛生士道」(伊平泰子氏、医療法人あすなろ歯科)

 現在に至るまで、歯科衛生士としてどのように臨床経験を積み重ね、担当する患者とどのように向き合ってきたかについて、それぞれの演者から語られ、感動の嵐をよんだ。

 最後に、谷口威夫氏(長野県開業)、奥山氏による総括が行われ、閉会した。オンラインでは参加者同士のチャットもつねに盛り上がりを見せるなど、終日熱気に包まれた会となった。