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2021年4月24日

日本デジタル歯科学会、第12回学術大会を開催

「デジタルをもっと身近に―革新から習慣へ―」をテーマに

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 さる4月24日(土)、25日(日)の両日、(一社)日本デジタル歯科学会(馬場一美大会長、末瀬一彦理事長)による第12回学術大会が、「デジタルをもっと身近に―革新から習慣へ―」をテーマとしてオンラインにて開催された。なお、今大会はライブ配信とオンデマンド配信の両方の視聴方式がとられた。

 まず、宮崎 隆氏(昭和大統括研究推進センター)を座長として、馬場一美氏(昭和大歯学部歯科補綴学講座)が「デジタルをもっと身近に―革新から習慣へ―」と題して大会長講演を行った。本講演では、「Innovation in prosthetic dentistry」と「Advantages of data-driven practice」の2つのキーワードを掲げ、デジタルを活用するメリットとして、患者負担の軽減、動揺歯に負荷をかけずに印象採得できること、支台歯形成の評価が即時に可能であること、データの長期保管のコストの軽減について語られ、口腔内の情報をデータで残すことにより、義歯の再製が来院しなくてもできるようになる可能性や、Data-drivenなインプラント治療のワークフローなどについて述べられた。

 また、特別講演では藤田広志氏(岐阜大工学部)が、「医療AIの現状と歯科画像領域への応用」として、コンピュータによる画像診断支援システムの応用を解説された。シンポジウムでは、「ここまでできるデジタル・デンティストリー」(座長:末瀬一彦氏、演者:植松厚夫氏、風間龍之介氏〔ともに東京都開業〕、山下恒彦氏〔デンテックインターナショナル〕)、「エビデンスを臨床に活かす」(座長:疋田一洋氏〔北海道医療大口腔機能修復・再建学系デジタル歯科医学分野〕、演者:深澤翔太氏〔岩手医科大歯学部補綴・インプラント学講座〕、新保秀仁氏〔鶴見大歯学部有床義歯補綴学講座〕、川西範繁氏〔神歯大大学院歯学研究科口腔統合医療学講座補綴・インプラント学〕)、「スペシャリストが語るデジタル治療のイノベーション」(座長:近藤尚知氏〔岩手医科大歯学部補綴・インプラント学講座〕、演者:槇 宏太郎氏〔昭和大歯学部歯科矯正学講座〕、金田 隆氏〔日大松戸歯学部放射線学講座〕、濱田良樹氏〔鶴見大歯学部口腔顎顔面外科学講座〕)、「歯学教育へのデジタル応用」(座長:大久保力廣氏〔鶴見大歯学部有床義歯補綴学講座〕、演者:江草 宏氏〔東北大大学院歯学研究科分子・再生歯科補綴学分野〕、二村優次氏〔株式会社モリタ〕、安部友佳氏〔昭和大歯学部歯科補綴学講座〕)として、臨床でのデジタル技術の活用例や、大学での最新の研究結果についてそれぞれの立場から述べられた。

 最後の特別セミナーでは、「ラボサイドからデジタル歯科への提言」(座長:小川 匠氏〔鶴見大歯学部クラウンブリッジ補綴学講座〕、演者:崎田竜仁氏〔CARESソリューションセンター〕、垂水良悦氏〔札幌デンタルラボラトリー〕)として、モノリシックジルコニアの可能性と工業系の歯科技工士からのCAD/CAMシステムについての提言がなされた。遠隔治療や医科歯科連携のあり方が模索される昨今において、口腔内データのデジタル化については今後も注目される分野である。

 なお、次回の第13回学術大会はきたる2022年4月23日(土)、24日(日)の両日、日本大学松戸歯学部を主管校としてタワーホール船堀(東京都)において「創ろう、究めようデジタル新時代:デジタルワークフロー、AI、デジタル診断の最前線」をテーマとして開催予定。