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2021年4月25日

日本臨床歯周病学会関東支部、歯科医師・歯科衛生士合同セミナーを開催

オンラインで800名以上が視聴し盛会となる

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 さる4月25日(日)、オンライン配信において、日本臨床歯周病学会関東支部(清水宏康支部長)による第88回関東支部教育研修会・第37回歯科衛生士セミナーが開催され、歯科医師、歯科衛生士ら800名以上が視聴し、盛会となった。

 まず、午前は衛生士セッションとして、村上伸也氏(阪大教授)による講演「歯周組織と歯周病の理解を深化させよう」が行われた。「歯根膜のそもそもの働きとは?」「歯周炎とは?」といった基礎的な内容についてイラストなどを用いて詳しく解説。また、「歯周病の新分類」にもふれ、今回の新分類で意外と見過ごされがちなのが「健康な歯肉」と「歯肉炎」の定義ができたことであると述べた。さらに、歯周病と全身疾患の関連や、ヒトマイクロバイオーム・プロジェクトといった最新の話題まで、歯周病の“今”が学べる講義となった。

 午後は、歯科医師セッションへと移り、会員発表4題、教育講演、特別講演が行われた。演題、演者を以下に示す。

・会員発表
「臼歯部の咬合性外傷の回避に努め歯周組織再生療法で対応した重度慢性歯周炎の一症例」中村一寿氏(医歯大)
「歯周基本治療の反応を診て歯周組織再生療法を行った一症例」平野竜生氏(神奈川県勤務)
「限局型重度慢性歯周炎患者に対し、歯周組織再生療法で対応した一症例」大井 瞬氏(埼玉県勤務)
「リグロスを用いた歯周組織再生療法:Hopeless teeth保存への挑戦」星 嵩氏(新潟県勤務)      
・教育講演   
「歯周組織再生療法のエビデンスと基本手技」岩野義弘氏(東京都開業)
・特別講演   
「歯周組織再生療法を取り入れた治療計画とその臨床経過」工藤 求氏(東京都開業)

 会員発表では、いずれの演者も歯周病の新分類に基づき症例を分類した後、歯周組織再生療法を用いて良好な結果が得られた症例を提示した。教育講演では、歯周組織再生療法の変遷から、成功に導くためのポイントについてエビデンスに基づきながら解説。また、術式について動画も多用しながら紹介した。特別講演では、歯周組織再生療法に関する最新のシステマティックレビューや新しいフラップデザインの解説、さらには再生療法と矯正治療により良好な結果が得られた長期症例を多数提示した。

 最後に、支部長の清水氏(東京都開業)、岩野氏、工藤氏の3氏に対し、質疑応答が行われた。「歯周組織再生療法でいちばん大切にしていることは何ですか?」と質問に対しては、「プラークコントロールやコンプライアンスといった患者レベルのファクター」「患者さんにきちんとリスクを説明すること」「プラークコントロールレコードを10%以下にすること」といった回答がなされるなど、終始熱気に包まれたまま閉会した。