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2021年6月6日

第59回日本小児歯科学会大会、Web配信にて開催

「新しい時代の小児歯科、維新の風は南から」をテーマに

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 さる6月6日(日)、第59回日本小児歯科学会大会(山崎要一大会長、牧 憲司理事長)が、「新しい時代の小児歯科、維新の風は南から」をテーマに、Web配信にて開催された。

 開会式では、まず山崎氏が登壇し、小児歯科学の最新トピックスおよび小児歯科臨床にとって大切なマインドに焦点を当てた特別講演Ⅰ、Ⅱや各シンポジウムなど、充実したプログラムを企画したと本大会の概要を解説。そして、これらはすべてWeb配信が行われるため、自宅などのリラックスした環境で視聴いただければ幸いであると述べた。次に、牧氏が登場し、本大会を視聴し、明日の臨床へとおおいに還元して欲しいと述べ、開会式は終了した。

 特別講演Ⅰでは、西野精治氏(米国・スタンフォード大)が、「スタンフォードにおける睡眠医学:小児歯科領域の重要性」と題し登壇。西野氏はまず、睡眠の役割について、記憶の整理やホルモンバランスの調整、免疫力の向上などがあると解説。免疫力の向上という観点から、新型コロナウイルスに対しても睡眠を取ることは有効であると述べた。また、コロナ禍において日本人の睡眠時間は増加したと述べたが、夜型傾向になり、睡眠の質は悪化したというインターネット調査の結果を示し、睡眠における新型コロナウイルスを交えた新しい知見を紹介された。また、小児期の睡眠時無呼吸症候群が全身に及ぼす影響について解説。上顎急速拡大を行った患児の症例を提示し、小児期に睡眠時無呼吸症を改善することが肝要であると述べられた。

 特別講演Ⅱでは、杉浦 剛氏(鹿児島大)が、「口腔環境とがん~予防は小児歯科から。未来のがん患者を増やさない為に~」と題し登壇。冒頭では、上顎歯肉がんとなった患者の写真を提示。少しショッキングかもしれないと前置きしながらも、がんの怖さを改めて紹介し、口腔がんの概要を解説した。また、口腔細菌叢と口腔がんの関連性について解説。口腔・腸内細菌叢はさまざまな疾患の原因となり、特にがんの発生・進展に影響すると述べた。そしてそれを防ぐためには、親・乳児~小児期に良質な細菌叢形成が行われることが重要で、その維持には、絶え間ない口腔衛生管理が重要であると強調した。

 その他にも、明日への臨床に役立つプログラムが企画された本大会は、6月20日(日)までオンデマンド配信を行う。なお、次回はきたる2022年5月19日(木)、5月20日(金)の2日間、幕張メッセ国際会議場(千葉県)において「心をつなぎ支えよう、子どもたちの明日を」をテーマに開催予定とのこと。