Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2021年6月26日

オッセオインテグレイション・スタディクラブ・オブ・ジャパン(OJ)、 2021年年次ミーティングを開催

月星光博氏を招聘し、外傷歯の治癒過程と自家歯牙移植の可能性が語られる

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる6月26日(土)、27日(日)の両日、アクトシティ浜松コングレスセンター(静岡県)にてオッセオインテグレイション・スタディクラブ・オブ・ジャパン(以下OJ、瀧野裕行会長)2021年 年次ミーティングが「天然歯を活かしたインプラント治療」をテーマに開催された。COVID-19対策として来場人数を制限し、Webによるライブ配信も行われ、OJ初のハイブリッド年次ミーティングとなった。

 初日の午前は、昨年の2月に開催されたOJミッドウィンターミーティングにて選出された6名の演者による会員発表が行われ、奥田裕太氏(大阪府開業)、片山 昇氏(三重県開業)、池田岳史氏(長野県開業)、中野忠彦氏(東京都開業)、長谷川幸生氏(静岡県開業)、湯口晃弘氏(北海道開業)がそれぞれ講演した。

 午後は正会員コンテストが行われ、雨宮 啓氏(神奈川県開業)、池田康男氏(静岡県開業)、川里邦夫氏(大阪府開業)、菊池大輔氏(福岡県開業)、丹野 努氏(栃木県開業)が登壇し、前歯部への審美治療、歯周病患者におけるインプラントマネジメント、ボーンアンカードブリッジや矯正的組織増生法を用いた症例などのテーマで講演した。なお、OJ Awardは丹野氏が受賞した。その後のシンポジウム1「ソケットプリザベーションとシールドテクニック」では、三橋 純氏(東京都開業)、市岡千春氏(北海道開業)、飯田吉郎氏(愛知県開業)の3名が登壇。ここでは主にセメント質剥離の問題やソケットプリザベーションの有効性、ソケットシールドテクニックの可能性について論じられた。

 2日目の午前は、シンポジウム2「矯正治療を活かしたインプラント治療」が行われた。シンポジウム2では金成雅彦氏(山口県開業)、鈴木健造氏、新村昌弘氏(ともに東京都開業)、米澤大地氏(兵庫県開業)の4名が講演。矯正治療を用いて舌房を拡げることの重要性やLOT(Limited Orthodontic Treatment;限局的矯正歯科治療)の有効活用、またデジタルデータによる新しい治療計画の立案など、矯正治療とインプラント治療の組み合わせで劇的に臨床の幅が広がることが示された。

 続いて、今回のメインともいえる月星光博氏(愛知県開業)による特別講演「天然歯を活かす! 外傷歯の治癒能力、移植の可能性」が行われた。月星氏はまず外傷歯の治癒過程について自身の豊富な症例を供覧し、「外傷歯は若年者に頻度が高いことから、なるべく抜髄しない、被せない、抜歯をしない治療を心掛けている」と説明した。また氏の代名詞ともいえる自家歯牙移植に関しては、移植歯には発育段階の小臼歯が適していることや歯牙移植を行う基準の1つとして患者の年齢が40歳以下であることなどを示し、好評を博した。

 午後はシンポジウム3「歯周治療とインプラント治療」にて、浦野 智氏(大阪府開業)、二階堂雅彦氏(東京都開業)、水上哲也氏(福岡県開業)というペリオの大家3名が登壇した。歯周治療とインプラント治療の関係性や重度歯周既往のリスクファクター、そして歯周病患者におけるインプラントと天然歯の共存について自由闊達に語られ、会場の耳目を集めた。

 別ホールでは、山田陽子氏(東京都開業)、笹部雅大氏(歯科技工士、デンテックインターナショナル)、夏堀礼二氏(青森県開業)、甲地貴行氏(青森県勤務)、三好敬三氏(東京都開業)、一柳通宣氏(歯科技工士、デンテックインターナショナル)、佐藤令菜氏(歯科衛生士、Dental Fairy)、柴原由美子氏(歯科医師、ライフセラピスト)、石原美樹氏(歯科衛生士、COCO DentMedical)による歯科技工士・歯科衛生士セッションがビデオ講演として配信され、盛況となった。

 閉会の挨拶では副会長の松島正和氏(東京都開業)が登壇し、来年の年次ミーティングはきたる2022年7月17日(日)、18日(月)の2日間、ホテルグランヴィア京都(京都府)にて開催される旨を発表し、大会の幕を下ろした。