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2021年9月16日

国民皆歯科健診実現議連、総会を開催

高橋英登氏より議連にかける期待が語られる

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 さる9月16日(木)、衆議院第二議員会館(東京都)において、自民党「国民皆歯科健診実現議連」総会(以下、議連、山田 宏事務局長、古屋圭司会長)が開催された。

 冒頭の古屋氏による開会挨拶では、2017年より「骨太の方針」でうたわれている「口腔の健康は全身の健康につながる」というフレーズを挙げ、「口腔の健康が保たれることにより人間の健康寿命は長くなり、これから伸びるであろう社会保障費を合理的に抑えていくことができる」と主張。また、6月に行われた設立総会についてふれ、論理的・医学的なエビデンスを追求するべく1年以上の勉強会を重ねたうえでの設立であることを強調し、将来の実現に向け意欲を示した。

 続いて山田氏による紹介のもと、最高顧問の伊吹文明氏(衆議院議員)、尾辻秀久氏(両院議員総会長)による挨拶が行われた。

 その後、高橋英登氏(日本歯科医師連盟会長)より「国民皆歯科健診実現議連に期待すること」について講演が行われた。まず、高橋氏は医療費の現実について資料をもとに言及し、令和元年度における日本の医療費43.6兆円のうち歯科にはわずか3兆円(構成割合:6.9%)にとどまっており、医科と歯科で大きな医療費格差のある現状を訴えた。

 次に、社会保障費についてふれ、このまま医療費の伸びが続けば国民皆保険制度の維持が困難になってしまうことを指摘。そのうえで自分の口で食事ができる高齢者は医療費が少なく、医療費の大半を使っているのは75歳以上の後期高齢者であるというデータに基づき、歯科を通じて一次予防、二次予防の部分で病気の発症を減らすことで総医療費を抑制するとの考えを示した。

 最後は歯科医療機関への通院割合が長いほど健康寿命・平均寿命ともに長いことを示す資料を供覧。口腔の健康をとおして「最後の最後まで自分の口で食べられる社会を目指し、国費のうち最大の割合を占める医療費の合理的な削減に貢献したい」と歯科としての役割を強調するとともに「すべての国民が年1回は歯科医院に行きクリーニング付きの健診を受ける体制を構築すべき」と述べ、本議連の今後に期待を寄せた。