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2021年10月10日

日本ヘルスケア歯科学会、ヘルスケアミーティング2021を開催

「人生100年時代のカリエスマネジメント」をテーマに

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 さる10月10日(日)、KFCホール(東京都)において、ヘルスケアミーティング2021(一般社団法人日本ヘルスケア歯科学会主催、杉山精一代表)が「人生100年時代のカリエスマネジメント」と題して開催された。本会は、会場参加者が約28名、オンライン参加者が約230名のハイブリッド方式で行われた。

 会の始めには、企画趣旨として本学会代表の杉山精一氏(千葉県開業)が、高齢者の残存歯数急増に対するカリエスマネジメントの重要性を訴えた。

 午前は、林 美加子氏(阪大大学院歯学研究科教授)が基調講演(1)として「ICCMS™で生涯にわたるカリエスマネジメントを実現する」と題し、氏が理事長を務めるACFF(Alliance for a Cavity Free Future)日本支部の活動についてICCMS(International Caries Classification and Management System)のプロジェクトを中心にオンラインで解説した。続いて、スヴァンテ・トウェットマン氏(コペンハーゲン大名誉教授)が基調講演(2)として「カリエスリスクアセスメント―科学と臨床」と題し、集団レベルと個人レベルでのカリエスリスクアセスメントの有用性について述べた。

 発表の後には、デンマークのコペンハーゲンと会場をオンラインでつないでのディスカッションが行われ、カリエスリスクアセスメントにおける歯科衛生士の重要性についてなどの意見交換がなされた。

 午後は千草隆治氏(福岡県開業)より「CRASP調査速報(小児から高齢者まで)」、林 浩司氏(栃木県開業)より「CRASPの導入から実践まで」、田中正大氏(埼玉県開業)と林 浩司氏より「6歳から18歳までのカリエスマネジメントの成果は?」と題しての報告がなされた。それぞれの内容は、本学会が考案したCRASP(Caries Risk Assessment Share with Patients)を使用したカリエスリスクアセスメントの利用状況、CRASPの歯科医院での活用方法(紙とiPadを併用したハイブリッド方式)、患者情報のウィステリア(患者管理ソフト)を利用した分析結果報告であった。その後、杉山氏が再び登壇し、「成人から高齢者に対するカリエスマネジメントのポイント」と題して、高齢者の根面う蝕発見の難しさについて数多くの臨床写真をもとに解説した。

 プログラムの最後には、ディスカッションの時間が設けられ、臨床現場の歯科医師、歯科大学での教育者、歯科衛生士など、それぞれの立場から今後のカリエスマネジメントの課題について熱い議論が交わされた。

 次回のヘルスケアミーティングは、きたる2022年10月9日(日)、10日(月)の両日に開催予定。なお、杉山氏は「ザ・クインテッセンス」誌で「Clinical Caries Management」と題して連載中である。