Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2021年11月3日

日本矯正歯科学会、第80回学術大会&第5回国際会議を開催

「望まれる矯正歯科の未来」をテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる11月3日(水)から5日(金)の3日間、パシフィコ横浜(神奈川県)およびWeb配信において、第80回日本矯正歯科学会学術大会&第5回国際会議(槇 宏太郎大会長、森山啓司理事長)がハイブリッド開催された。参加登録者数は約4,300名以上(後日のWeb配信の登録者数は含まず)、現地来場者数は毎日1,000名以上の盛会となった。なお、現地参加するにあたり、各会場入口にサーモグラフィ検温器や手指消毒用アルコールを設置するなど感染症対策が徹底されていた。

 本大会のテーマは「望まれる矯正歯科の未来」。開会式で槇氏は「本大会を通じ、われわれ矯正家に課せられた使命を再確認し、デジタル関連技術がもたらすさまざまな状況を共有し合い、矯正歯科がどのような未来へ向かうべきなのかを議論する場にしたい」と意気込みを述べた。

 教育講演では、森山啓司氏(医歯大教授)の座長のもと、「新型コロナウイルス感染症の現状と将来の展望ー私たちはこの感染症とどう向き合っていくのか―」と題し、二木芳人氏(昭和大)が、各国のワクチン接種率の現状をふまえ、第6波に備えてどのようにわれわれはウイルスと向き合っていくべきかを語った。

 続く特別講演では、槇 宏太郎氏(昭和大教授)の座長のもと、「歯科矯正臨床の変遷」と題し、与五沢文夫氏(東京都開業)が、自身の半生を振り返りながら、次世代の矯正臨床医に向けて、とるべき言動の自覚とリーダシップのあり方について熱く語った。

 午後の第5回国際会議記念シンポジウム「アライナー矯正の光と影」では、宮澤 健氏(愛院大教授)、玉置幸雄(福岡歯科大教授)の座長のもと、Tarek Hessin El-Bialy氏(アルバータ大・カナダ)が「矯正歯科におけるクリアアライナー:成功例、失敗例、原因」を、Brent Dee Bankhead氏(Dentsplysirona/SureSmile 社の主席矯正歯科アドバイザー兼セントルイス大・米国)が「アライナー矯正治療のエッセンシャル」を、James Mah氏(ネバダ大・米国)が「アライナー矯正歯科の陰陽:バイオメカニクスと治療成績」と題し、アライナー矯正治療の経験豊富な3名が成功症例だけでなく、問題点や留意すべき点などもまじえて講演した。最後にプログラムにはなかったが、槇氏が登壇し、日本におけるアライナー矯正治療の現状と課題について補足講演を行った。

 続いて第80回大会記念シンポジウムでは、新井一仁氏(日歯大教授)、西井 康氏(東歯大学教授)の座長のもと、「日本の矯正歯科の未来」と題し、森山氏が「口腔顎顔面の形態形成・成長発育異常の診断・治療から考える歯科矯正学の現在と未来―ヘルスサイエンスの起点としての歯科矯正学」を、齋藤 功氏(新潟大教授)が「適切な矯正歯科治療の再確認と今後の展望」を、槇氏が「未来に向かって」と題し、本大会のテーマでもある「未来」に紐づけ、それぞれの立場から、矯正歯科を取り巻く現状と描く未来像を熱く語った。なお、質疑応答の時間では会場内だけでなく、ライブ配信を視聴している参加者からチャット機能にて質問を受け付け、その場で演者が質問に答えるライブ質疑応答も行われた。そのほか、日本学術会議委員会・臨床系歯科分化主催、日本矯正歯科学会共催シンポジウムやスタッフ&ドクターセミナーなど多彩なプログラムが設けられた。

 次回の第81回日本矯正歯科学会学術大会は、きたる2022年10月5日(水)から7日(金)の3日間、松本尚之大会長(大歯大主任教授)のもと、大阪国際会議場(大阪府)において行われる予定である。