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2022年6月1日

クインテッセンス出版株式会社、第24回WEBINARを開催

牛窪建介氏、牛窪敏博氏、大月基弘氏が「保険のエンド・ペリオを極める」のテーマでWeb講演

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 さる6月1日(水)、牛窪建介氏、牛窪敏博氏、大月基弘氏(いずれも大阪府開業)によるWEBINAR #24「保険のエンド・ペリオを極める」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーはWEBINAR #21「保険のエンドを極める」(牛窪敏博氏)およびWEBINAR #23「保険のペリオを極める」(大月基弘氏)の両セミナー受講者限定で、それぞれの講演内容をふまえたエンド・ペリオ病変の解説が行われた。

 本セミナーのメイン講師を務めた牛窪建介氏はまず、エンド・ペリオ病変の発生機序から、エンド由来(プライマリーエンド)、ペリオ由来(プライマリーペリオ)、エンドとペリオが複合して発生する「3つの複合病変」に分類したSimonの分類について言及。この分類はエンド・ペリオ病変の病態を理解する考え方として重要な指標ではあるが、治療に際してはエンドファーストを原則に、2つの単一病変と複合病変で分けて考えることなどを説明した。

 続いて、実際のプライマリーエンド、プライマリーペリオ、複合病変の症例を供覧のうえ、検査・診断から治療に至るフローチャートを示しながら、具体的な対応についてわかりやすく紹介。そのなかで根管未処置歯の検査(歯髄検査)における感度と特異度についてふれ、歯髄状態における検査として(1)電気的歯髄検査(EPT)、(2)Cold test、(3)Hot test――3つを示したのち「複数の検査を行い総合的に診断することが理想」と臨床経験に基づいた解説がなされた。また、エンド・ペリオ病変が疑われる場合は、すぐに歯周治療を行うことは禁忌であり、まずは歯内療法で対応することや、歯周治療への移行は3か月を目安にその間は歯肉縁上のスケーリングまでで対応し、歯肉縁下のSRPは控えるよう付け加えた。

 後半は、クラックやVRF(垂直性歯根破折)、セメント質剥離といったエンド・ペリオ病変と類似した臨床所見など、治療方針や診断に迷うケースについて解説。VRFの特徴を紹介しながら、アクセスフラップやセメント質剥離への対応を行った症例を披露し、「複合病変になる前に対処すること」の重要性を強調した。

 講演後の質疑応答では、事前も含め多数の質問が寄せられ、エンドの質問には牛窪敏博氏、ペリオの質問には大月氏が回答。最後に牛窪建介氏は、エンド・ペリオ病変は治療の予後が見通しづらく難度の高い症例であることにふれ、患者さんと情報を共有し理解を得たうえで治療を進めていくことを推奨した。