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2022年7月24日

大阪大学歯学部同窓会、第553回臨床談話会を開催

新谷誠康氏が「子どもの歯のみかた―行動変容から歯内療法まで―」をテーマに講演

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 さる7月24日(日)、大阪大学歯学部同窓会(谷口 学会長)による第553回臨床談話会が、大阪大学歯学部記念会館(大阪府)およびWeb配信にて開催された。今回は講師に新谷誠康氏(東歯大教授)を迎え、「子どもの歯のみかた―行動変容から歯内療法まで―」をテーマに、「1.小児の行動変容」「2.乳歯の歯内療法」「3.幼若永久歯の歯内療法」「4.最近明らかになったエナメル質形成不全 MIH」の4部構成で行われた。

 小児歯科診療では、毎回の診療で信頼を積み重ねていくことがもっとも大事であること、行動変容に正解といえる方法はないことを前提に、行動変容を促す6つの方法を紹介した。また、成長発達過程にある乳歯や幼若永久歯では、永久歯への対応とは異なることから、抜歯の診断基準や歯内療法の適応・術式、注意点などを解説した。特に、根分岐部の病変が大きい歯などでは「低年齢であっても残すべきでない乳歯は残してはいけない」などと強調。永久歯との対応の違いを症例を交えて詳説した。

 エナメル質形成不全に関しては、日本での有病率が5~10%であるが、う蝕との見分けが困難なことからう蝕処置が行われているケースもあるとし、その見分け方のポイントや治療方針、プロケア、セルフケアについて述べた。

 いずれの内容も小児患者がスムーズに歯科治療を受けるための環境づくりが根底にあり、即活用したいノウハウが多数盛り込まれた。知識や臨床テクニックをアップデートできる充実した時間となった。