2023年6月16日掲載
「生きるための、しあわせのための『くち』を守る」をテーマに
日本老年歯科医学会、第34回学術大会を開催
本大会では、大会長講演、シンポジウム、課題口演、ランチョンセミナー、特別講演、一般口演、飲茶セミナー、Meet the President 2023など、多数のプログラムが企画された。
特別講演１「近未来の学会に託す老年歯科医学の道―老会員ですが心は青春真っただ中―」では、羽村氏（日歯大教授）を座長に、米山武義氏（静岡県開業）が、口腔衛生管理と誤嚥性肺炎発症の関連性を検証するに至った経緯や、口腔衛生管理によって患者さんの笑顔を導き出せた症例などを供覧した。
シンポジウム12「アドバンスケアプランニング（ACP）に関わる歯科衛生士になるには～エンドオフライフケアを理解した実践へ」では、阪口英夫氏（陵北病院）と、藤原千尋氏（歯科衛生士、福山医療センター）を座長として進行した。
まず会田薫子氏（東大）が、「ACPの基礎―最期まで患者さんの尊厳を守るために」と題して、人生の最期に本人の意思を実現させるための事前意思決定を補うものとしてのACPの基礎を解説した。
次に飯田良平氏（神奈川県開業）が、「歯科は人生の最期に寄り添えるか」と題して、在宅医療における看取りのなかで重要になるACPについて、自身の父親を看取った経験もふまえて講演した。
最後に、齊藤理子氏（歯科衛生士、ヒューマンデンタルクリニック）が、心を込めて患者さんの口腔をきれいにしていくことで、自然と患者さんからACPのような話や相談をされることもあり、そういったかかわりが歯科衛生士としてのやりがいにつながっていると、日頃の在宅診療の様子を動画で供覧しながら述べた。
なお、次回の日本老年歯科医学会第35回学術大会は、きたる2024年6月28日（金）から30日（日）の3日間、札幌コンベンションセンター（北海道）において開催予定。
