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2023年11月25日

第35回一般社団法人日本小児口腔外科学会総会・学術大会が開催

「こどもまんなか時代の小児口腔外科」をテーマに

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 さる11月25日(土)、26日(日)の2日間、東京歯科大学水道橋校舎新館 血脇記念ホール(東京都)において、第35回一般社団法人日本小児口腔外科学会総会・学術大会(新谷誠康大会長、金子忠良理事長)が「こどもまんなか時代の小児口腔外科」をテーマに開催された。なお、講演はWeb配信もされ、ハイブリッド形式での開催となった。

 1日目には、学術大会と併催された第13回教育講演会が行われ、浜野美幸氏(千葉県開業)と新垣敬一氏(沖縄県立中部病院歯科口腔外科部長)が登壇した。

 浜野氏の講演では、「口腔機能の育成―子どもを取り巻く社会の視点から―」と題して、口腔機能発達不全症の現状と概要にはじまり、そのチェックリストに記載のある歯の萌出の遅れや舌小帯の異常、そして口唇閉鎖不全への対応について、普段の診療や日常生活のなかに無理なく取り入れられるトレーニング法を交えつつ解説された。また、子どもの口腔機能を育成するうえで、親子の心理的・社会的背景に配慮したサイコソーシャルアプローチが重要であることを強調した。

 続いての新垣氏の講演では、「小児患者に必要な小手術~特に埋伏歯抜歯や小帯手術などのコツや勘所~」と題して、舌小帯切除術や上唇小帯切除術、上顎正中過剰埋伏歯抜歯の術式や勘所について、それらの手術の必要性や行う時期の判断の指標を示しつつ解説された。

 次に、日本歯科医学会会長講演が行われ、「6期目の決心」と題して住友雅人氏(日本歯科医学会会長)が登壇。2020年に発表された、「2040年への歯科イノベーションロードマップ」を示しながら、これからの歯科界の展望や進むべき道について、昨今の日本を取り巻く社会情勢を交えながら述べた。

 2日目には、特別講演、教育講演、シンポジウム、一般口演、ポスター討論などが行われた。

 片倉 朗氏(東歯大教授)が登壇した特別講演では、「口腔外科における医療DXの推進―CAD/CAM,Extended Reality,メタバース医療―」と題して、3DテクノロジーまたはXR(Extended Reality)技術を用いた口腔顎顔面外科手術支援や学生教育、遠隔医療へのXR技術の応用について、東京歯科大学での取り組みを中心に紹介した。

 また、教育講演1では、「埋伏歯のタイプと治療戦略―上顎犬歯を紐解く―」と題して西井 康氏(東歯大教授)が登壇。治療期間の長さなどから、対応が難しい埋伏歯の治療について、とくに上顎犬歯埋伏に絞って、その病因や分類、難易度の判定、術式の選択などについて、症例を交えながら解説した。

 続いては、特別企画「子ども虐待の現場から」として、講演3題とシンポジウムが行われた。登壇者と演題を以下に示す。

「温かいまちの目利きになろう」落合香代子氏(一般社団法人ママリングス代表理事)
「『これって虐待?』って思ったら」内山健太郎氏(小児科医師、ジャパングリーンクリニック)
「こども虐待への対応 児童相談所の現場より」久保 隆氏(東京都福祉局江東児童相談所統括課長代理)

 各講演では、江東区で行われている虐待予防研修プログラムの紹介や診療の場面で虐待が疑われる子どもに遭遇した際の対応や児童相談所などへの通告や連絡の手順、実際の事例をもとに児童相談所でどのような対応が行われているかなどが述べられた。また、子ども虐待予防においては、保護者を含めた家庭への支援が重要であることが繰り返し強調された。加えて、虐待や支援が必要な子ども(保護者)の早期発見における歯科への期待が述べられた。講演の後にはシンポジウムが行われ、活発な意見交換がなされた。