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2009年3月22日

OSI 第4回Conference開催

Berglundh教授を招聘した特別講演盛況となる

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 さる3月22日(日)、東京ミッドタウンにてOsseo Skarp Institute Study Club 第4回Conferenceが「インプラント周囲疾患―その予防と対処法について」をテーマに開催された。今回のConferenceには、特別講演の演者として、世界の歯周治療をリードしてきたJan Lindhe教授の後釜であるTord Berglundh教授(イエテボリ大)が招聘され、メインテーマどおり「インプラント周囲疾患―その予防と対処法について」を午前と午後の2部構成で開催された。

 Berglundh教授は、多くの研究・レビューから導きだされた知見を来年のJournal of Clinical Periodontologyに載る予定の文献まで披露。とくに、今までとは違った考え方が披露されるたびに、聴衆の熱心にメモをとっていた姿が印象的な大会となった。

 数年前までは、インプラント体と上皮との幼弱な付着に対する侵襲を防ぐため、診査・診断時のプロービングは禁忌とされていたが、近年ではインプラント体と上皮の付着機構が解明されてきたこともあって、とくに北欧ではインプラントに対する診査・診断はプロービングによることが必須となっている状況は参加者の興味を引いたようで、質疑応答の場面では具体的な方法・診断基準についての質問が集中した。

 また、保険制度の土壌の違いもあるが、日本の臨床のなかでデンタルエックス線写真の頻繁な撮影による診査・診断について、警鐘を鳴らしていた。被曝線量をむやみに増やして患者への侵襲の危険性を増すよりも、自身の腕を信じてプロービングによる診査・診断をよりどころにすべきであることを強調して述べた。さらには、表面性状の違う4種類のインプラントをイヌに埋入し、5年後、10年後の歯周組織の変化を追った実験結果など、現時点ではオフレコ的な意味合いが濃い内容も披露され、盛況であった。なお、Berglundh教授は、さる20日にも大阪で同様の講演を行っており、こちらも大盛況であった模様。

 特別講演終了後には、吉田拓志氏(東京都開業)、田ヶ原昭弘氏(愛知県開業)、米澤大地氏(兵庫県開業)、仲里雅則氏(沖縄県開業)による会員発表4題が行われ、OSI主宰メンバーである伊藤雄策氏(大阪府開業)、寺西邦彦氏(東京都開業)らを交えてディスカッションがもたれた。