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2008年10月16日

第72回全国学校歯科保健研究大会

「歯・口の健康つくりの総合的展開を目指して―こころとからだの健康...「生きる力」を基盤として―」をテーマに開催される

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 さる10月16日(木)、17日(金)の両日、パシフィコ横浜(神奈川県)において、第72回全国学校歯科保健研究大会(松島悌二大会長)が、「歯・口の健康つくりの総合的展開を目指して―こころとからだの健康...『生きる力』を基盤として―」をメインテーマに盛大に開催された。
 初日に行われたシンポジウムでは、安井利一氏(明海大学長)を座長に、森 良一氏(文科省スポーツ・青少年局学校健康教育課教科調査官)、松沢成文氏(神奈川県知事)、山田不二子氏(NPO法人子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク理事長、医師)、柘植紳平氏(日本学校歯科医会副会長)ら4名のシンポジストが講演を行った。
 まず、森氏は中央行政の立場から、「今年は、平成20年1月17日に中央教育審議会から2つの答申が示され、学習指導要領の改訂、学校保健安全法の改正がされた大きな年だった。実際にこれらが学校で反映されるのは来年度以降であるが、実際に動き出す時期を前に、このように『歯・口の健康つくりの総合的展開』について研究することはたいへん意義深く、現在はその準備期間として非常に重要な時期」と語った。
 また、松沢氏は地方行政の立場から、神奈川県で実施している健康づくりについて講演した。なかでも氏は、「がんへの挑戦・10か年戦略」を策定し、たばこ対策の推進を重点項目のひとつに掲げていることを詳説。「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例(仮称)」を取りまとめ、公共的施設の室内またはこれに準ずる環境での効果的な受動喫煙防止を実現するための条例を制定する動きがあることなどを報告した。
 引き続き山田氏が、フィールド活動の立場から「子ども虐待・ネグレクトを疑ったら通告を、通告したら連携を」と題して、実際に起こった虐待・ネグレクト症例を提示し、歯科医師が日常臨床や学校健康診断の際に見つけるかもしれない所見や症状などについて解説した。
 最後に柘植氏が、学校歯科医の立場から、保育園や小学校での学級活動における歯科保健指導の実践活動例を紹介した。
 総括として、安井氏が「子どもたちの健康つくり、その豊かな人生を将来にわたって育んでいくためには、学齢期に子どもたちに何を伝えていくのか、そして心とからだを一体として考える『生きる力』をどのように育んでいくのかがポイントであろう」と述べた。