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2009年9月5日

筒井昌秀先生メモリアル講演会開催

日本を代表する10名の歯科医師がレクイエムを奏でる

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 さる9月5日(土)、6日(日)の両日、アクロス福岡において、2007年6月に逝去した故・筒井昌秀氏のメモリアル講演会(The Japanese Academy of Comprehensive Dentistry主催、上田秀朗会長)が開催された。参加者は全国各地から集い、1,000名を超えるまでに至った。

 1日目、まずは白石和仁氏(福岡県開業)が「叱られて…」と題し、筒井氏との思い出を症例とともに語り、講演の最後に哀悼の意を表した手紙を朗読した。

 つぎに、横田 誠氏(九歯大教授)が「歯周病のClinical Prognostic Indicatorを求めて」と題し、予後不良な症例を見極めるための診断法について述べた。

 また、糸瀬正通氏(福岡県開業)が「予後不良症例から学ぶインプラント治療の展望」と題し、長期症例の紹介とともに筒井氏との長きにわたる親交について語った。

 初日最後の講演では、下川公一氏(福岡県開業)が筒井氏の著書である「『包括歯科臨床』から学ぶこと」と題し、共著者である筒井氏の妻・照子氏との掛け合いで紐解いた。講演後は、ホテルニューオータニ博多にて「偲ぶ会」が行われ、筒井氏の軌跡が多くの親友によって語られた。

 2日目、まずは小野善弘氏(東京都開業)が「Longevityを可能にする歯周外科処置」と題し、治療後における再発防止のための歯周環境整備の重要性について述べた。

 つぎに、佐藤直志氏(秋田県開業)が「歯周組織再生療法」と題し、処置方法の選択基準と治療結果の長期安定性について、自身の豊富な症例を提示しながら解説した。

 続いて、榎本紘昭氏(新潟県開業)が「インプラント治療の宿命と臨床対応」と題し、天然歯とは異なるインプラントの宿命を理解した上での審美症例を提示した。

 さらに、内藤正裕氏(東京都開業)が「筒井先生の問いかけに…」と題し、筒井氏の得意とした「力のコントロール」について動画を交えて解説した。

 また、本多正明氏(大阪府開業)が「Longevityを欠損歯列から考察」と題し、咬合と構造力学の観点から、欠損補綴のための診断と対応について語った。

 最後に、山崎長郎氏(東京都開業)が「複雑な補綴を成功に導く臨床的基準」を題し、最新のマテリアルおよびインプラントの使用方法について解説した。

 2日間の締めくくりとして、筒井照子氏が出席者に対し謝辞を述べ、本会は粛々と幕を閉じた。この2日間は、後の歯科界に脈々と語り継がれていくものと思われる。