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2009年11月15日

「SHOFU CERAMICS CONGRESS in TOKYO」開催

予定を上回る460名の参加者のもと盛況に

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 さる11月15日(日)、ベルサール飯田橋(東京都)において、「SHOFU CERAMICS CONGRESS in TOKYO」(松風主催、根来紀行取締役社長、以下、松風社)が開催され、460名の参加者を集める盛況となった。本会は、さる10月に日本国内での発売が開始された松風社のメタルセラミックス用陶材「Vintage MP」の発売を機に、その開発に携わった山本 眞氏(M. YAMAMOTO CERAMIST Inc.)と西村好美氏(デンタルクリエーションアート)、そして同社の陶材を用いて近年積極的な症例発表を行っている枝川智之氏(パシャデンタルラボラトリー)と瓜坂達也氏(Lucent Dental Laboratory)がそれぞれの立場からVintage MPの特徴や各種セラミックワークのポイントについて語るもの。以下に各演題の概要を示す。

・「歯科用セラミックス ~過去から現在、そして未来~」(山本氏)
 本演題で山本氏は、「歯科におけるセラミックスの応用は決して新しいことではない」と述べて初期の高溶陶材によるジャケット冠や各種陶歯の歴史を概観。その後、Vintage MPの特徴として、(1)焼成収縮下のベース材への親和性、(2)適合する合金の熱膨張範囲の拡張、(3)オペーク陶材の根本的改良、(4)色調再現性の改良、の4点を挙げてそれぞれ詳説した。

・「New Material ―Zr on Press Ceramics Systemの可能性―」(枝川氏)
 本演題で枝川氏は主に近年進化の著しいプレスセラミックスと、従来からのレイヤリングのそれぞれの利点・欠点、そして適応について解説。プレスセラミックスについては「咬合接触点の回復の容易さ」や「形態修正の容易さ」を利点として挙げつつ、「プレスシステムが発展しても、やはり基本は旧来のレイヤリング法で培う必要がある」として基礎の重要性を訴えた。

・「New Material ―Metal Ceramics(Vintage MP)の可能性―」(瓜坂氏)
 本演題で瓜坂氏は、まずシェードにミスマッチが生じる原因について考察。(1)人為的なミス、(2)技術的なミス、(3)情報のミス、の3点を挙げてそれぞれ詳説した。また、Vintage MPに関しては従来品の「Vintage Halo」との違いを挙げ、「MPのオペークは最終的なボディ色に近く、焼成後に白浮きしない」と述べてその使いやすさを強調した。

・「審美歯科におけるセラミックワーク」(西村氏)
 本演題で西村氏は、まず修復治療の目的として(1)審美性の確保、(2)機能の回復、(3)構造・生物学的に生体と親和する修復物の装着、の3点を挙げ、それにまつわる事項をつぎつぎに解説。形態修正の実際や、セラミストにとって大きな課題となる「白」の再現などに言及したうえで、生体親和性に影響を与える要素としては表面研磨の重要性をとくに強調。電子顕微鏡による試験片の画像を示しながら、「陶材の研磨は荒目~細目の研磨材で順に行うことはもちろん、最後にダイヤモンドを多く含む研磨用ペースト〔デュラポリッシュダイヤ、松風社〕を用いるときわめて滑沢な表面性状が得られる」とした。

 なお、全演題終了後には演者全員による「本音のTalk Show 基本を押さえることの大切さ ~次世代の明るい未来を目指して~」が行われ、演者らのこれまでの来歴や枝川・瓜坂両氏からの山本氏への質問などが存分に語られ、こちらも注目を集めていた。