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2010年2月7日

第34回北九州歯学研究会発表会開催

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 さる2月7日(日)、九州大学医学部百年講堂(福岡県)において、第34回北九州歯学研究会発表会(上野道生会長)が約600名の参加者を集め、盛大に開催された。

 午前の部ではまず、新人発表として、「歯牙移動を用いた補綴前処置」(中野稔也氏、福岡県開業)、個人発表として、「当院における接着修復処置の再考」(重田幸司郎氏、山口県開業)、「骨欠損の改善を図るための方法」(酒井和正氏、福岡県開業)、「辺縁歯肉と調和するクラウンカントゥアを求めて」(大村祐進氏、山口県開業)、「患者さんから学んだメインテナンス」(榊 恭範氏、福岡県開業)がそれぞれ行われ、各演題のテーマはそれぞれ異なるものの、「歯の保存にこだわる」という本研究会の哲学が反映された内容であった。

 午後の部では、立和名靖彦氏(後述の演者はすべて福岡県開業)がプランナーとなったシンポジウム「CT時代のエンドとレントゲン」が開催された。これはCTによる術前診断がインプラントのみならず、歯周・根管治療にまで応用され始めた現状を鑑み、考えられたもの。

 まず、田中憲一氏が歯牙解剖の視点から根管形態の複雑性を考察し、これを受けて中島稔博氏がデンタルエックス線、樋口琢善氏がCTで見える根管形態、炎症・治癒像を比較的に解説した。その後、倉富 覚氏、中野宏俊氏が従来の根管治療を見直すべく、その基本的術式を解説した。

 そして本シンポジウムを通した結論として、(1)根管治療にCTを用いるとより的確な診断が可能になること、(2)CTが応用されることで、今後根管治療の予後判定はより厳しくなること、(3)しかし、従来の基本的知識・技術の獲得なしにはCTの応用は意味を成さないこと、が導き出された。

 最後に木村英生氏が総括的な講演を行い、自身が行った根管治療歯1,408歯の臨床成績を発表。行った治療を省みること、また歯牙保存の重要性をあらためて観衆に訴え、会を締めくくった。