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2010年11月28日

スタディグループI.E.P.O.創設10周年記念シンポジウム開催される

内藤正裕氏と山崎長郎氏による初のジョイント講演

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 さる11月27日(土)、28日(日)の両日、Learning Square新橋(東京都)において、スタディグループI.E.P.O.創設10周年記念シンポジウム(湯浅慶一郎会長)が「はばたけ21世紀の歯科医療!―次世代に繋がる臨床を考える」をテーマに開催された。本スタディグループは、歯科医療における知識の向上と技術の研鑽により、スーパーGPを目指す臨床家のための"道場"として2000年に発足。その後は、歯科技工士・歯科衛生士を加えた三位一体の会員構成となり、職種、年齢、臨床経験に関係なく、それぞれが目標をもちステップアップしていくことを目標に活動している。

 まず、27日(土)には、本スタディグループの創設者である湯浅慶一郎会長と吉田康二氏(ともに東京都開業)が講演を行った。湯浅氏は、天然歯周囲の硬・軟組織のマネージメント、根分岐部病変の適切な診査・診断法、治療法などに言及した。さらに、インプラント症例におけるソケットプリザベーション、GBR法、遊離歯肉移植術の基本術式と考慮すべきポイントを詳説した。

 続いては吉田氏が、本スタディグループの創設の経緯および変遷を語るとともに、恩師である内藤正裕氏(東京都開業)から学んだ歯科医療に対する姿勢に触れ、症例の全体像を診ること、治療のゴールを明確にイメージすることが肝要であると述べた。さらに、欠損補綴治療における咬合再構成の重要性を強調し、自身の行っている精緻な診断法、治療法について解説した。

 28日(日)には、外来講師として内藤氏、山崎長郎氏(東京都開業)を迎えての「特別ジョイント講演会」が行われ、約200名の参加者が集まった。

 内藤氏の講演は「21世紀の歯科医療、今、われわれが直面しているもの」と題し、独自の分類に基づき、咬合に焦点を当てたもの。補綴歯の破壊、補綴歯と隣在歯との摩耗、単独歯インプラントと隣在歯とのコンタクトポイントの経年的な離開など、歯冠修復物が口腔内に長期的に維持するがゆえに生じる種々の問題を提起し、その要因を探った。

 山崎氏は「複雑な症例に対する連携治療(インターディスプリナリートリートメント)」と題し、氏が提唱する審美修復治療の分類である「YAMAZAKIの分類」を提示しつつ、各々の分類における治療のアプローチ法を解説した。現在、巷には数多の歯冠修復材料が存在するが、審美修復においてはこれらを症例に応じて適切に選択することではじめて高い審美性が得られること、さまざまな問題を抱えた複雑な症例においてはインターディシプリナリーアプローチが望ましいこと、また、インプラント治療を含め、今後はコンピュータを応用した歯科医療がますます盛んになるであろうことが述べられ、それらを具現化した症例の数々を提示した。

 また、最後に行われた2人のディスカッションは、会場からの質問に応える形で行われ、咬合高径の設定法、上述したコンタクトポイントの離開に対する私見と対策などが議論された。