Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2011年1月23日

光機能化バイオマテリアル研究会第1回研修会開催

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる2011年1月23日(日)、TKP新宿ビジネスセンター(東京都)において、光機能化バイオマテリアル研究会第1回研修会が開催された。

 本会は、2009年に小川隆広氏(UCLA)の研究チームが報告したチタンのbiological aging(生物学的老化)現象(以下、チタンエイジング)、および光技術を利用してその現象を回復する方法(光エネルギー応用チタン機能化)の研究を行う会である。記念すべき第1回となる今回は、「チタンエイジング・光技術の基礎と臨床応用~インプラントは新たなステージへ~」とのテーマで行われた。

 まず、午前中は小川氏とともに光エネルギー応用チタン機能化の研究を行ってきた堀紀雄氏(神歯大)が「チタンエイジングの概念」を、會田英紀氏(北海道医療大)、山田将博氏(東歯大)が、「光機能化による効果」を解説。3者の講演は、
1.安定材料(生体不活性材料)であるチタンが必ずしも安定ではないこと、
2.光エネルギー応用チタン機能化によって、チタンの本来もっている能力を最大限にまで引き出すことができる可能性があること、
3.光エネルギー応用チタン機能化をインプラントに応用(光機能化インプラント)することで、インプラントと骨の接触率が限りなく100%に近づく可能性があること、
を示唆するものであった。

 午後はまず、船登彰芳氏(石川県開業)が光機能化インプラントを用いた臨床例を提示し、光機能化時の注意点やインプラントの取り扱いなどについて、その実際を報告した。

 その後、特別講演として小川氏が講演。まず、昨年行われ、小川氏もオピニオンリーダーとして参加したオッセオイテグレーションサミット(米国AO主催)について報告。そのなかでは、インプラント治療において解決すべき課題の筆頭にインプラント界面のマネージメントがあげられていたことを挙げ、光エネルギー応用チタン機能化の技術に大きな期待が寄せられているとした。その後は、午前中の演者ら3名を加え、会場からの質疑応答や午前中の発表の補足説明がなされた。

 当日は、70名の定員を大幅に超える参加者約100名が集まり、質疑応答も予定の時間をオーバーして活発に行われた。また、参加者には著名な研究者、臨床家も多くみられるなど、光エネルギー応用チタン機能化に関して、多くの関心が寄せられていることが垣間みえた。