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2011年4月15日

鶴見大学歯学部、寄附講座を開設

基礎・臨床研究の両面から予防歯科の普及を目指す

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 さる4月15日(金)、鶴見大学(神奈川県)において、鶴見大学歯学部寄附講座開設にともなう記者会見が開催された。本会見は、このたび同大学歯学部に教育探索歯学講座および臨床探索歯学講座の2つの寄附講座を、学際企画株式会社(東京都、佐藤武雄社長)ならびに株式会社ジーシー(東京都、中尾 眞代表取締役社長)などの協力を得て、設置したことによるもの。教育探索歯学講座では、専門的口腔ケアの1つである「デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム(以下、3DS)」の新技術開発と遠隔教育(e-ラーニング)を中心とする普及教育活動と基礎研究に取り組む。臨床探索歯学講座では、MI(Minimal Intervention)の概念にもとづく侵襲性の低い歯科医療の実現に関する臨床研究に取り組む。同講座の設置期間は、平成23年4月より平成26年3月までの3年間。なお、教育探索歯学講座では、8月をめどにインターネットを用いたe-ラーニングを開始する。

 会見では、小林 馨氏(鶴見大歯学部長)の挨拶後、両講座の統括責任者に就任した花田信弘氏(同大歯学部探索歯学講座教授)による講座開設の経緯ならび概要が説明された。そのなかで、花田氏は「3DSは開業歯科医レベルでは行われているが、料金体系や技術も基準となるものがない。同講座でゴールドスタンダードをつくり、開業歯科医にはその基準を超えるような3DSを患者さんに提供していただきたい」と述べた。

 2000年に花田氏らが開発した3DSを社会に普及させるためには、薬剤を入れるための専用トレーの普及が必要となるが、厚労省には認可されておらず自由診療となるため、現在は一部の開業歯科医にしか普及していない。対症療法から原因療法への転換が求められているなか、3DSを保険点数に収載するためのエビデンスの蓄積など、超えなければならないハードルはあるが、今回開設された寄附講座は、予防歯科領域の普及に寄与できるのか。今後の研究成果に注目したい。