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2011年6月19日

東京医科歯科大学歯科同窓会学術部講演会開催

澤田則宏氏、吉川剛正氏による「顕微鏡導入までのEndodontics」

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 さる6月19日(日)、東京医科歯科大学M&Dタワー大講堂(東京都)において、東京医科歯科大学歯科同窓会学術部講演会(医歯大歯科同窓会主催、西村 誠会長)が開催された。会場には同大卒で歯内療法専門医の澤田則宏氏(東京都開業)、吉川剛正氏(東京都勤務)を講師に迎え、「顕微鏡導入までのEndodontics」と題したテーマのもと、約200名が参集した。

 両氏は2007年の刊行以来ベストセラーとなっている『誰でも治せる歯内療法』(クインテッセンス出版刊)の著者。日常臨床では顕微鏡(マイクロスコープ)の使用は必須という両氏であるが、本講演会では顕微鏡を導入するまでに身につけておきたい歯内療法の基本的な知識・技術に焦点を当てたものとなった。

 澤田氏は、初診時の診査・診断、とくに問診の重要性について症例を通じて解説。患者の訴える痛みが急性か慢性かを見極め、慢性痛であれば痛みが完全には消えないことがある点をあらかじめ患者に説明するなど慎重に対応する必要性を強調した。また、氏が用意した資料を聴講者に配布し、デンタルエックス線写真の読影テストを行うなど興味深い試みも行われた。

 一方、吉川氏は歯内療法における技術的な内容を中心に展開。根管治療の3ステップとして、髄腔(髄室)開拡、根管口の漏斗状拡大、根尖部の拡大・形成などの各ステップのポイントや注意点を、使用する材料の特性や比較なども交えながらわかりやすく解説した。

 澤田氏はまとめとして、「歯内療法専門医にとって顕微鏡はなくてはならないツールであるが、顕微鏡があっても基本ができていなければ意味がない」と、基本の重要性を改めて強調。最後の質疑応答では聴講者からは多くの質問が寄せられるなど、歯内療法への関心の高さがうかがわれた。