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2011年7月10日

日本自家歯牙移植・外傷歯学研究会 2011年講演会開催

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 さる7月10日(日)、名古屋能楽堂会議室(愛知県)において、自家歯牙移植・外傷歯学研究会(月星光博会長)が盛大に開催され、会場には82名の聴講者が参集した。

 午前中は内藤 徹氏(福歯大総合歯科学講座高齢者歯科学分野准教授)による講演「上手い治療か? 考える治療か?―EBMでとらえた歯科治療―」が行われた。内藤氏は、先般の東日本大震災で起こった「コスモ石油のLPGタンク火災による有害物質が降ってくるという内容のチェーンメールの横行」と「イソジンを飲めば人体に放射性物質が蓄積をしないというデマ」等を例に、正しい情報とは何かについて問題定義をした後、EBMを遂行するにあたって必要なEBM用語の知識、筆者の主張に都合よくリードされてしまう"落とし穴"を示し、正しい論文の読み解き方について講じた。

 午後は月星光博氏(愛知県開業)の講演「自家歯牙移植の成功の判断基準と適応症の選択」が行われた。まず自身が最近数年間世界各地から招かれた自家歯牙移植の講演について紹介し、世界中で自家歯牙移植の価値が見直されてきているとした。次いで長年にわたり良好な経過を見せているものなど、数多くの症例を提示。自家歯牙移植の成功は歯科医師各自の技術に因るところが大きいものの、ドナー歯の根面にできるだけ多くの歯根膜が存在していること、個々の歯科医師が世界中の歯科医師に納得されるような公平な成功判断基準と適応症選択基準を明確にもつことが重要であるとした。