2024年6月号掲載
インタビューと症例から探る 若手臨床家のラーニングカーブ step ahead No.148 小林祐二
※本記事は、「QDT 2022年5月号」より抜粋して掲載。
♯1 インタビューで探る! 小林氏のラーニングカーブ
「北海道から新たな道を作りたい」
「歯科医師に向いていないのではないか」
北海道の上川郡美瑛町で父が歯科医師、母が歯科衛生士の家に生まれ、将来、歯科医師になって歯科医院を継ぐように子どものころから育てられたという小林。「あまりにも歯科が身近な存在で、なんの疑いもなく自然に歯科医師になると自分でも思っていました」
大学は愛知学院大学歯学部に入学。漠然と父の仕事は見ていたが、実際に勉強してみるとイメージとは違った。学ぶことも多く、手先の器用さも求められる。子どものころから不器用でプラモデルも最後まで作ったことがなかった小林にとって、ハードルは高かった。さらに臨床実習が始まるとそれは顕著になる。「自分は歯科医師に向いていないと考えるようになり、5 、6 年生時は北海道には帰らずに大学の講座に残って臨床ではなく研究をしたいと考えていました」
だが、結局大学には残らなかった。父親から卒業後は北海道に戻ってきて欲しいと頼まれたことが理由である。札幌医科大学口腔外科に父親の同級生が居ることから、そこで臨床実習を受けるように勧められた。「北海道に戻るなら臨床をやっていこうと気持ちを切り替えました。そのうえで、将来開業するなら口腔外科で将来の超高齢社会に備えて全身疾患をもつ患者さんへの対応を学ぶのも良いのではないかと前向きに捉えることにしました」
実際、この1年間の臨床実習で体験した全身疾患をもつ患者への対応は、その後開業した後にも役立っており、とても良い経験だったと小林は振り返る。