学会|2026年5月25日掲載
「歯周病を攻略する」をメインテーマに
第69回春季日本歯周病学会学術大会開催
さる5月22日(金)、23日(土)の両日、アクトシティ浜松(静岡県)において、第69回春季日本歯周病学会学術大会(辰巳順一大会長、吉成伸夫理事長)が「歯周病を攻略する」をテーマに開催された。
本大会では2日間にわたり、特別講演、AAP会長講演、シンポジウム、医療安全委員会企画講演、教育講演、市民公開講座、口演発表、ポスター発表、ランチョンセミナーなど、充実したプログラムが組まれた。
1日目に行われた特別講演1「細胞医療においてドナーから患者までつなぐトレーサビリティ『ShizuiNet』」では、手塚建一氏(岐阜大学大学院医学系研究科再生機能医学分野)が登壇。智歯や乳歯などの医療廃棄物から得られる再生医療用材料である歯髄細胞について、骨再生や脊髄損傷などの治療に利用できるほか、iPS細胞の原料としても応用できることを提示。そのうえで、移植用細胞を大量流通・製造し、多施設で共有するために開発したトレーサビリティ「ShizuiNet」について紹介した。
シンポジウム1「歯周病原細菌と歯周病の最新トピックス」では2名が登壇。長谷川義明氏(愛知学院大学歯学部微生物学講座)はPorphyromonas gingivalis(P.gingivalis)の線毛に着目し、その構造的多様性が宿主組織への付着や細胞間相互作用にどのように結びついているかを解説した。一方、多田浩之氏(東北大学大学院歯学研究科 エコロジー歯学講座 口腔微生物・免疫学分野)はP.gingivalisのジンジパインと好中球細胞外トラップ(NETs)に着目し、歯周病における免疫応答やバリア破綻、全身疾患に波及するメカニズムについて概説した。
2日目に行われた歯科衛生士シンポジウム「ライフコースアプローチを踏まえた歯科衛生士の臨床を考えよう!」では、3名の歯科衛生士が登壇。松浦有夏氏(かすもり・おしむら歯科矯正歯科口腔機能クリニック)は歯科受診をきっかけに2型糖尿病が発覚した患者に対して院内外の他職種と連携して介入した取り組みについて、杉山知子氏(月星歯科クリニック)は育児などで2回の来院中断を経験していた患者を担当し、現在に至るまで継続受診につなげた取り組みについてそれぞれ披露。また、佐藤昌美氏(池田歯科クリニック)は自身の35年の歯科衛生士人生において担当してきた長期症例を複数取り上げ、歯周病へのアプローチや歯科衛生士としてのあり方について示唆に富む内容が示された。
なお、本大会の内容は、オンデマンド配信にて2026年6月24日(水)から7月23日(木)まで、配信される予定である。
次回、第69回秋季日本歯周病学会学術大会は、きたる2026年10月16日(金)、17日(土)の両日、広島国際会議場(広島県)において、水野智仁大会長(広島大学)のもと開催予定。