2024年7月号掲載
日本版オリジナルページ 知っておきたい矯正歯科学の基本の「き」(第8回)
※本記事は、JAO[Journal of Aligner Orthodontics]日本版 2023年No.1より抜粋して掲載。
Bolton 分析
米国の歯科医師Wayne Allen Bolton により考案・発表された、分析法(1958 年)1 と臨床応用法(1962年)2 である。これは、上下顎の歯冠近遠心幅径の違いを把握するために矯正歯科臨床で広く用いられている分析法で、トゥースサイズレイシオ(tooth size ratio)とも呼ばれる。矯正歯科治療において、上下顎の歯冠近遠心幅径の調和は咬合の改善・安定を図るうえで非常に重要である。つまり、矯正歯科治療では適切な臼歯関係、犬歯関係、オーバーバイトとオーバージェットなどの項目をクリアしていく必要がある。また、機能的な咬合のためには上顎の歯列が下顎の歯列を覆っている(適切な被蓋)必要があるが、本分析法を用いて歯冠近遠心幅径を計測し、上下顎の歯の排列を決定することが可能となる。もともとはノギスなどを用いて模型を計測していたが、近年では口腔内スキャナーを用いた計測も行われている。