2026年10月号掲載
CHEERS!(第38回)
※本記事は、「歯科衛生士 2026年2月号」より抜粋して掲載。
モチベーションとは行動の理由です。推しのチケットを取るためには、どんな苦労も惜しみませんよね。何時にだって起きるし、有給だってとるし、海外公演があればその旅費だって捻出します。好きだからです。それが行動の理由です。
何度言ってもちゃんと歯磨きしない患者さんがいます。行動の理由がないんです。別に痛いところもないし、プラークが残っていると言われても、イメージもわかないし、細菌の塊とか言われても実感ない。今までものすごくていねいな歯磨きをしてたわけではないけれど、なんの不自由もない。そして、毎日歯磨きはしている。では、患者さんが歯磨きを「ちゃんと」する理由はなんでしょう。それは、患者さんが歯周病だからです。私は「あなたは歯周病です」と最初に伝えます。「歯磨きのやり方を変えないと治りません」、重度の患者さんには「あなたはステージ4です」と伝えます。ステージ4ってちょっと怖いですよね。責めるわけではなく事実です。そんなこと言ったら、患者さんが傷つくんじゃないかと言われることがあります。でも、私たちは歯科衛生士です。患者さんを健康に導く仕事をする人です。ふらっと入った服屋で「あなたは太ってるからこの服は似合いません」と正直に言われたらブチギレるかもしれない。でも、私たちがやっているのは医療です。「あなたは歯周病だから、歯磨きの仕方を変えたほうがいい」そう伝えるのは、仕事であり、患者さんに対する愛情だと思う。