社会|2021年8月3日掲載
クインテッセンス出版(株)
今井一彰氏による第9回Webセミナーが開催

氏は、はじめに口呼吸がなぜ他の病気に影響するのかについて、さまざまな症例や論文を供覧。代表的な口呼吸の症状として睡眠障害や病巣疾患(鼻咽頭・口腔疾患)、酸素不足、エネルギー代謝変化を挙げ、口呼吸によって病巣疾患ができることや、その慢性的な炎症が免疫寛容を崩すことにより、次の病気を引き起こすと説明した。
次に、氏が考案した「あいうべ体操」について言及し、トレーニングは覚えやすく実行しやすいものであることが重要とする持論を展開。また、難しい病気には難しい治療が必要だと考えがちであるが「口をできるだけはやくパクパク動かす」、「細いストローでヨーグルトを吸う」など、意外と単純なことで口呼吸が治ることを強調した。
最後に、口呼吸割合のデータのばらつきについて言及。保護者の申告(約30%)と専門家の見立て(約60~70%)に大きな乖離があると述べ、口呼吸は専門家が診断することが大切と訴えた。
講演後の質疑応答では多くの質問が寄せられるなか、受講者の要望に応え、「あいうべ体操」を披露する場面も見られ盛会となった。