2015年7月26日掲載
日本初のAO Charter Chapter Meeting、国内外の錚々たる演者陣を集め盛会となる
Academy of Osseointegration Charter Chapter Japan開催

AO Japanのアンバサダーとなった墨 尚氏(愛知県開業)、Russell Nishimura氏(AO会長)、本会のゼネラルマネージャーである寺西邦彦氏(東京都開業)の3名による開会の挨拶の後、基調講演としてMichael Norton氏(AOボードメンバー)が審美部位における並列欠損に対する即時埋入の術式や埋入のタイミング、さらにはコンポーネント素材の選択が臨床結果に与える影響などを考察した。次に、Stephen Jacobs氏(AO UKアンバサダー)が登壇し、自身の2症例に適用した最新の学術文献を紹介するとともに、抜歯後即時埋入および即時プロビジョナルの利点について講演した。Tara Aghaloo氏(AOボードメンバー)は、臨床医は日常的に実施する手技の裏付けとなる科学的知識や適切な臨床応用法の理解が欠かせないとし、最新の歯槽骨再生とティッシュエンジニアリングを紹介した。最後に「歯科医師はサイエンティストでもあるべき」と力強く発言し、午前のプログラムを終えた。
ランチョンセミナーを挟み、午後は日本人の演者たちが登壇した。小川隆広氏(米国・カリフォルニア大ロサンゼルス校)はインプラント治療における光機能化の有意性について説明し、続く勝山英明氏(神奈川県開業)はインプラントのサイトディベロップメントの最適化を目的とした顎堤造成の最新ガイドラインを紹介した。小濱忠一氏(福島県開業)はインプラント‐インプラント間の乳頭形成のための生物学的戦略についておもにアバットメント形態の観点から論じ、船越栄次氏(福岡県開業)は、動画を交えてサイナスフロアエレベーションの要点を語り、クレスタルアプローチで埋入した自院のデータを供覧した。行田克則氏(東京都開業)は、顎堤造成とトンネルテクニックを併用することによって十分な血液供給が得られ、前歯部のインプラント周囲に健全な軟組織構造が獲得できる可能性を示し、金城清一郎氏(沖縄県開業)はサイナスフロアエレベーションのプロトコールの変遷を振り返り、過去の症例を検証することで今後の展望を考察した。船登彰芳氏(石川県開業)は、光機能化の応用範囲をインプラントだけでなくアバットメントやチタンメッシュにまで広げ、良好な結果を得た症例を紹介し、鈴木真名氏(東京都開業)はインプラント周囲歯肉退縮に対して、自身で確立したMS分類に基づいてマイクロサージェリーでリカバリーした症例を供覧した。
約300名収容できる東京国際フォーラムの1室は終日満席となり、日本初のAO Charter Chapter Meetingは成功裏に閉幕となった。