2016年1月31日掲載
「First molar Reconstruction~今こそ、第一大臼歯を極める。」をテーマに
Shurenkai学術講演会2016が開催

まず午前は、牛窪氏が「第一大臼歯の歯内療法における根管解剖学的特徴を考察する」と題して登壇。第一大臼歯の解剖学的特徴をはじめ、根管治療での手順と注意点、レッジやパーフォレーションなどの偶発症への対応から外科的歯内療法まで、文献と自身の臨床例を通してわかりやすく解説。さらに、氏らが研究・開発中という歯根嚢胞の新規治療法も紹介した。
午後は、大月氏が「歯周病学的見地から第一大臼歯の保存とその意義を考察する」と題して登壇。50歳で約3割が下顎第一大臼歯を喪失することを述べたうえで、そこから臼歯部の近心傾斜、咬合高径の低下、前歯部フレアアウト、対合歯の挺出、歯列の乱れへと続く負のサイクルを挙げ、第一大臼歯保存の重要性を説くとともに、根分岐部病変へのさまざまなアプローチ法と予後について文献と臨床例を通じて解説した。
最後に、中村氏が「上下顎第一大臼歯の咬合面形態を機能的な観点から考察する」と題して登壇。人類の進化の過程で、なぜ第一大臼歯がもっとも大きな歯になるに至り、咀嚼の中核となったかという「起源」のエピソードから、規格化された咀嚼試験条件で得られる食物粉砕度を測定する「咀嚼能率測定」といった最新の話題、そしていかに第一大臼歯を保護するかについて詳細に解説した。
全講演後には3氏が再度登壇し、山本司将氏(愛知県開業)の司会のもとディスカッションが行われ、会場から質問が多数寄せられるなど終始熱気に包まれた。なお、Shurenkaiは本年11月3日(祝)に第7回総会を同会場において開催予定。