2016年3月13日掲載
約450名が参集し、会場は満席となる
子どもの咬合を考える会、第20回記念特別講演会を開催

まず、午前中に石田房枝氏(茨城県開業、赤ちゃん歯科ネットワーク代表)による講演1「お腹の中から歩き出すまで―歯科に及ぼす粗大運動発達期の影響―」が行われた。石田氏は、生まれてから歩き出すまでの育ちが口の健康に関して大きな鍵を握っており、体を左右対称に育てること、重力に負けない体幹を獲得することなどが口の機能を育てるうえで重要であるとした。また、生まれる前の胎内での環境も口の問題に影響しており、妊娠期から歯科が関わることの必要性を述べた。
午後には、増田純一氏(佐賀県開業)による講演2「乳幼児期の食べ方が生涯のかみ合わせと口腔機能を作る」と中村睦子氏(兵庫県開業)の座長の下、シンポジウム「「不正咬合を予防する・子育て10ヶ条・乳幼児期編」を考える」が行われた。
講演で増田氏は、噛むことの重要性を強調し、よく噛んで食べることはその子の「人間力」を高めると述べた。また、口蓋は子どもの口腔機能の鏡であるとし、長年の経験から得た問題の起こりやすい口蓋形態の類型を示した。また、シンポジウムでは、まず『不正咬合を予防する・子育ち10ヶ条・幼児・学童期編』の発表・説明が行われた。これは、「口を閉じて鼻で呼吸をします」「頬杖、あご杖をするのはやめます」など、子どもの咬合を考える会が推奨する、不正咬合を予防するうえで3~12歳ごろまでの期間に気を付けるべき10の項目をまとめたものである。続いて、会員へのアンケートの結果を受けての『不正咬合を予防する・子育て10ヶ条・乳幼児編』の検討が石田氏、増田氏からのコメントも交えて行われた。この「乳幼児編」についても、取りまとめのうえ、後々発表されるとのことである。
満席の会場は活気にあふれ、記念すべき第20回記念特別講演会は盛会のうちに終了した。