社会|2022年1月5日掲載
クインテッセンス出版(株)
須貝昭弘氏による第16回Webセミナーが開催

まず、須貝氏は多数の症例写真を供覧しながら成長による歯列の変化の軌跡について、正常歯列の人と歯列不正を起こしている人で何歳の時点でどこが違うのか・何が原因なのかをわかりやすく解説。そこで、将来正常な歯列をもつには上下切歯交換期がもっとも大切な時期であると主張した。
次に、上下切歯交換期に正常歯列にならない理由を詳説。①萌出の異常、②スペース不足、③口腔習癖の3つを挙げるとともに歯列不正の治療として、歯列矯正と咬合育成それぞれの特徴を説明。その際、歯列矯正治療における早期抜歯については、長い人生の時間軸でみる大切さについてふれ、特に子どもの保護者の判断による安易な抜歯には懐疑的な見解を示した。
その後は、拡大床治療について解説。拡大装置には可撤式と固定式の2種類があり、それぞれ症例を供覧しながら比較した。続いて、拡大床治療の適用範囲や装置の使い方・調整方法、基本的な治療の進め方などを詳説するとともに、治療の方針を十分に理解してもらったうえで治療を始めることを強調。今後の歯列が確定してくる小学2年生までに始めることを推奨した。
講演後の質疑応答では、寄せられた質問に対し、須貝氏が講演中と同様わかりやすく回答し、盛会となった。