2022年3月19日掲載
離乳食について、中村ゆかり氏が講演
株式会社COCO DentMedical、オンラインセミナーを開催

離乳食に関しては、約75%の保護者が何らかの困りごとを抱えているという(厚生労働省調査)。困りごとの中には、食べ物を噛み切れない、飲み込めないなど、歯科と直結する問題もあり、また、「食べること」は、認知機能や口腔機能の発達、食べる意欲を引き出すといった成長・発育に大きくかかわっているため、歯科からできる食の支援を考えていきたいとした。さらに、昨今起きている窒息など食に関する事故も取り上げ、事故を防止するために食材を軟らかくしたり、小さく調理したりするといった対応もあるが、それよりも口腔機能を高めることで事故を防ぐこと、そして適切な時期に適切なアプローチで摂食能力を身につけられるよう、赤ちゃんのときから支援することが大切であるとした。
赤ちゃんの食を支援するうえでは、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」がある。本セミナーではそれに則って月齢ごとの離乳食の形態などの目安を紹介していたが、昨今では「BLW」や「補完食」といった考え方・取り組みもある。大切なことは専門家として各方法・考え方などを知ることであり、保護者が選んだ方法で安全に行えるようアドバイスし、応援していくことであるとした。
セミナー後半には、参加者各自が用意したせんべいやガムテープを使った実習が行われた。ガムテープでポカン口を再現し、ポカン口で飲食したときの食べづらさ、味などを体感した。
講演後は時間をオーバーするほど多数の質問が参加者から寄せられ、中村氏からのていねいな回答・解説がなされ、濃密な時間となった。なお第2回目は、きたる5月28日(土)に「実際の歯科での取り組みの紹介~養育者の困りごととその対応~」のテーマで開催予定。