2024年3月6日掲載
鈴木真名氏が「乳頭再建」をテーマにWeb講演
クインテッセンス出版株式会社、第45回WEBINAR(後編)を開催
さる3月6日(水)、鈴木真名氏(東京都開業)によるWEBINAR#45「乳頭再建」(後編)(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、鈴木氏・山口文誉氏(神奈川県開業)の共著である『乳頭再建Papilla reconstruction』の内容をベースに、前半の山口氏の講演とあわせて、より理解が深まるような講演が披露された。
冒頭、鈴木氏は乳頭再建における「歯(Tooth):T」、「ポンティック(Pontic):P」、「インプラント(Implant):I」の全6つの乳頭形態パターンを供覧し、歯槽堤から歯間乳頭までの垂直的高さにおいて、「T-T」、「P-P」、「I-I」の3つのパターンを解説した。
まず、「T-T」の乳頭形態においては、鈴木氏オリジナルの歯間乳頭再建術であるIPAC(Interproximal Pouch Approach using CTG)テクニックを用いた長期症例を供覧した。なかでも、術式のコンセプトといえる唇側に挿入される2枚目の移植片がもつ骨頂から歯肉頂までの水平・垂直的増大の役割に言及しながら、IPACテクニックの特徴でもあるクリーピング過程を披露した。
次に「P-P」の乳頭形態における術式を解説。「大きく垂直的に歯槽堤を増大させる必要があるため、初回は水平的な増大、2回目には垂直的な増大と目的を分けて2回の外科手術を行うことを患者さんに提案している」と述べた。そして結合組織移植術(CTG)を行い、良好な予後が得られた所見を示し、その予知性の高さをアピールした。
続いて、「I-I」の乳頭形態に対し、骨が不足しておりI-I間も狭い(3mm以下)ため、片方のインプラントをスリーピングさせた症例を供覧。文献を示しながら周囲組織やインプラント補綴の状態も吟味する必要性や、全6つの乳頭形態のなかでももっとも難度が高い乳頭形態パターンであることを補足した。
講演後の質疑応答では、山口氏も加わり両氏が回答。治療時間の質問について山口氏は、「症例に応じて2時間ほど確保し、時間に余裕をもって行うようにしている」と述べた。また鈴木氏は、IPACテクニックにおいてインプラントの上部構造を外せないケースでの切開の入れ方の質問について、「骨面上の軟組織を剥離できれば必然的に歯肉はリフトアップするため、必要以上に大きな切開を入れる必要はない」とアドバイスを送った。
なお、本Webセミナーの振り返り配信は、2024年6月6日(木)まで購入が可能である。次回のWEBINAR#46は、飯田吉郎氏(愛知県開業)を招聘し、「審美インプラントの治療戦略~成功へ導くレシピ」が開催された。振り返り配信は2024年6月13日(木)まで購入可能である。両セミナーおよび振り返り配信の申込みはこちらから。