社会|2025年9月17日掲載

東北大学教授の山田将博氏を特別講師として招聘

スタディグループPerio Ortho Project(POP)、特別例会を開催

スタディグループPerio Ortho Project(POP)、特別例会を開催

 さる9月13日(土)、第一ホテル東京(東京都)において、Perio Ortho Project(POP)特別例会(土岡弘明氏主宰)が開催され、約50名が参加し、盛会となった。

 本例会では、2025年4月より東北大学大学院医工学研究科生体再生医工学講座メカノ医歯工学分野教授を務める山田将博氏が登壇した。

 まず、山田氏は現在のインプラント治療の課題として、(1)小児患者に非適応であること、(2)位置を動かすことができず、天然歯と連結できないこと、(3)手術回数が多いことなどを挙げた。さらに、インプラントは天然歯に比べて触覚感度が低く、とりわけ受動的咬合感覚が十分に得られないため、天然歯とは異なる咬合感覚となると解説した。

 そして、これらを解決するためには、インプラント周囲に歯周組織を形成誘導し、生体と近い状態を再現する必要があると説明。それを実現するために、生体模倣技術を活用して歯根の表面性状を模倣したインプラントの開発および事業化を目指すと述べた。

 このインプラントは、歯根表面の物理的性質を模倣することで埋入箇所の歯根膜細胞に対して生体に近い疑似的な機械的刺激を与え、歯周組織を再生するというものである。また、その性質上、オッセオインテグレーションせず矯正力にも反応するため、移動させることも可能であると解説した。

 講演後には、同窓生の吉野宏幸氏、神山剛史氏(ともに埼玉県開業)より謝辞が述べられ、盛会裏に幕を閉じた。

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